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防御率0点台…阪神を戦力外で退団も新天地で輝く「左腕リリーバー」は

 

「自分の色を出したい」


貴重なリリーフ左腕として点を与えない投球を続ける岩田


 1イニングを完ぺきに抑えた登板が多いとは言えない。だが、無失点で抑えることに大きな意味がある。移籍2年目のDeNA岩田将貴が13試合登板で防御率0.54と、救援陣を支える貴重な左腕になっている。

 九州産業大から育成ドラフト1位で阪神に入団すると、2年目の2022年6月に支配下昇格。ファームでは好投を続けていたが、一軍のブルペン陣が充実していた背景もあり昇格の機会がなかった。24年にウエスタン・リーグで46試合登板して防御率2.11をマークしたが、チームの戦力構想から外れて退団に。救いの手を差し伸べたのが、DeNAだった。

「キャンプの初日はアップの盛り上がりに圧倒されました。タイガースも仲は良かったですが、ベイスターズは違った意味で明るいです。元気のあるチームだと思うので早く溶け込みたいと思います。同級生が多く、話しかけてくれるのでありがたいです。吉野(吉野光樹)はすごく面倒を見てくれて、いろいろ教えてくれます。中学1年の頃から変則フォームで投げていて、上からは投げられません。左バッターを確実に抑えられるところを見せたいですし、右バッターもしっかり抑えられたらと思います。1イニング投げられるところをアピールしたいです。ベイスターズにはいないタイプと思われたいので、自分の色を出していけたらと思っています」

背水の陣で迎えた今季


 新天地での活躍を意気込んだ昨年だったが、3試合登板で防御率18.00と厳しさを味わった。6月20日のロッテ戦(横浜)、9回一死満塁のピンチで一軍初登板の機会が巡ってきたが、死球と四球で2者連続押し出しを与えて降板のほろ苦い結果に。7月4日の古巣・阪神戦(横浜)は一死も取れず2失点を喫してファーム降格が決まった。

 背水の陣で迎えた今年はファーム・リーグで15試合登板して防御率0.77と好投を続け、5月8日に一軍昇格。同日の阪神戦(甲子園)で9点リードの9回に登板すると、1回1安打無失点。その後はビハインドで投げる場面が多いが、相手打線の勢いを止める投球を続けている。

 インステップで右足を踏み出すサイドスロー左腕で、直球、スライダー、ツーシームを投げ分ける。中1のときにソフトバンクのセットアッパーで活躍した森福允彦の投球フォームを参考に構築したもので、唯一無二の変則投法が大きな武器となっている。

1球で人生を変えられる


ソフトバンク、巨人で名リリーバーとして活躍した森福


 森福は現役時代に救援で通算423試合登板し、17勝17敗18セーブ134ホールド、防御率2.59の成績をマークしたが、入団時から順風満帆だったわけではない。本格派左腕として期待されたが結果を残せず、2年目のフェニックス・リーグでサイドスローにフォーム改造したことが野球人生の転機になった。左打者を抑えるワンポイントで結果を残すと、リードした場面のセットアッパーを務め、抑えを託された時も。好投を続けることで投手としての存在価値が高まった。

 森福は週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っている。

「ワンポイントの場合は、一番はコントロールだと思います。抑えて当たり前、出て行ったらどんな形でもいいからアウトを取らないといけない。ただ、ランナーの状況次第ではやってはダメなケースもあるので、そこを思った結果にするコントロールがないと、ワンポイントは長く続けられないかなと。時と場合によっては、フォアボールでOKなんだって思えることも大事。自分の意図を持って投げて、結果にする。ワンポイントだけじゃなくて1イニングを抑える上でも、それが自信に変わっていくんです」

「“1球で人生を変えられる”。先発は長い回を投げないと役目を果たしたとは言えないですが、中継ぎは1球で終わることも。打たれても抑えても、たった1球で名前が残ったりするんですよ。だからこそ、責任は重いですし、それがツラくもあるんですけど。ただ、それだけ価値のあるポジションでもあります」

 DeNAは6月終了時点で借金が最大の15にふくらんでいたが、7月に入ってから6勝1敗1分けと上昇気流に乗っている。接戦の試合が多くなる中で、岩田は登板した試合で信頼を勝ち取れるか。1球で人生を変えられる。ここからが正念場だ。

写真=BBM
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