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今季2勝のみもFA権行使なら争奪戦か 哲学者と評される「左腕エース」は

 

もうワンランク上に行ける投手


今季は勝ち星がなかなか伸びていかない小島


 ロッテの左腕エース・小島和哉が波に乗り切れない。7月12日のオリックス戦(ZOZOマリン)は6回途中5安打3失点で今季6敗目。初回に先制点を失い、2回以降は無失点に抑えていたが、6回に先頭打者の山中稜真に死球、西川龍馬に左前打と無死一、二塁のピンチを招いたところで降板。救援した投手が逆転を許して試合に敗れた。ベンチで戦況を見つめている際に、何を感じたか。6回を最後まで投げ切る信頼を得られていないのが、現状の小島だ。

 大きな故障がなく、先発ローテーションをきっちり守ってきた。2021年以降に3度の2ケタ勝利を挙げるなど5年連続規定投球回をクリア。直球、スライダー、フォーク、カットボール、チェンジアップと多彩な球種で打者を操る術を知っている。スタミナも十分だが、期待の大きさを考えると、もうワンランク上に行ける投手だ。

 昨年は24試合登板で8勝10敗、防御率3.72。前半戦は急性腰痛で離脱するなど14試合登板で4勝6敗、防御率3.33で、「これしてみようとかちょっとやり過ぎたというか、いろいろ一気にやろうとし過ぎたところがあります。いつも意識しないでできていたことが、意識しないとできなくなってしまったり、フォームの部分とかも含めて、かなり投げていて気持ち悪い、抑えても気持ち悪い、打たれたら良くないと思われるしというのがずっと続いていた」ともどかしさを抱えていた。

夏場以降に調子を上げる傾向


 毎年夏場以降に調子を上げる傾向がある。昨年も8月以降は8試合登板で5勝3敗、防御率2.63。向上心旺盛な左腕は、他球団のエースの投球を刺激にしていた。8月10日のソフトバンク日本ハム戦(みずほPayPay)。リバン・モイネロが日本ハム打線を9回3安打13奪三振に抑えて完封勝利を飾ると、伊藤大海も敗戦投手となったが8回1失点と見応えのある投手戦を展開。

「モイネロ投手と伊藤投手の投げ合いを見てもインコースが重要だなと思いましたし、かといって全部行くというのは話が違うので、タイミングとバッターのタイプによりますけど、もともと(佐藤)都志也と組むとなったときも、こういう練習をしてきたからいつもより増やしてみようと話をしました」と、マウンドに上がった8月16日のソフトバンク戦(みずほPayPay)で内角を果敢に突き、8回8安打10奪三振2失点の力投で5勝目を挙げた。

「インテリジェンスを感じる投手」


 黒木知宏一軍投手コーチは、週刊ベースボールのインタビューで小島について以下のように評していた。

「哲学者的なところがありますね。彼も研究熱心です。バッターのことも、自分の投球フォームのことも。投げたいコースに投げるにはもう少し体を閉じたほうがいいのか開いたほうがいいのか。あるいは、リリースをするまでに体の使い方はどうだとか、いろいろな球種を駆使しながら、こういうふうに抑えていこうという、すごくインテリジェンスを感じる投手です。とはいうものの、開幕のときとか、ピンチの場面では『おらー!』と気持ちを込めて投げるときもあります。冷静なときもあるけど『魂で投げる』ときもあり、そのギャップも見ていて楽しいピッチャーです。最後、ここを勝ったら優勝しますとか、日本一になりますとか、そういう場面になったときに、彼がどっちのピッチングをするのかが楽しみです」

 頭脳明晰である一方で、内に秘めた闘志は熱い。今季は11試合登板で2勝6敗、防御率3.51。好調を維持できないことに、誰よりも悔しさを感じているだろう。大きな課題は立ち上がりだ。計26失点のうち半分近くの12失点を1、2回で喫している。最近は長いイニングを投げ切れないケースが続いているが、この試練を乗り越えて得意の夏場で上昇カーブを描けるか。順調にいけば今季中に国内FA権を取得する。先発のコマ不足に悩む球団は多いので動向が注目されるが、ロッテの上位浮上のために白星を重ねてもらわなければ困る投手だ。

写真=BBM
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