物足りない打撃成績

来日2年目のキャベッジ。シーズン終盤で本領を発揮できるか
持っている能力の高さを考えれば、満足できるパフォーマンスとは言えない。
巨人のトレイ・キャベッジだ。
来日2年目の今年は3、4月に打率.315、5本塁打、12打点と好スタートを切ったが、その後は好調が持続できない。5月は打率.216、4本塁打、11打点、6月は打率.163、3本塁打、5打点。初球から積極的にスイングするが、低めのボール球を空振りする打席が増えるようになる。7月は18試合出場で打率.218、1本塁打、2打点。104三振はチームメートの
ボビー・ダルベックの109三振に次ぐリーグ2番目の多さで、得点圏打率.188は物足りない。
外野の緩慢な守備が痛手になることも。「三番・中堅」でスタメン出場した7月14日の
ヤクルト戦(神宮)では1点を先制されてさらに6回二死一、二塁のピンチで、
レアンドロ・セデーニョの打球を捕球したが、返球を急がない間に二塁走者に続き、一塁走者・
赤羽由紘の本塁生還を許した。同点に追いついた直後の7回も、先頭打者の
岩田幸宏の左中間への打球を処理したが内野の返球がそれて三塁への進塁を許した。いずれも、防げるミスだっただけにもったいなかった。
身体能力の高さは目を見張るものがある。エンゼルス時代の2023年に3Aでトリプルスリーを達成。来日1年目の昨年は123試合出場で打率.267、17本塁打、51打点、5盗塁をマークした。故障で離脱した時期があったが、後半戦は52試合出場で打率.306と好成績を残し、「去年は相手の投手がみんな初対戦だった。自分にとっては新しいところがあったが、今年は2年目。誰がどういうボールを投げるか、投球スタイル、そういうところもある程度は把握できている」と手ごたえを口にしていた。
打つだけではなく次の塁を狙う積極果敢な走塁も魅力だ。NPBで拡大ベースが導入されたことで、「日本の投手は非常にクイック動作が早く難しいところもあったけど、2年目は研究してもっと(盗塁を)増やしたい」と意欲的だった。
レジェンドOBがキーマンに指名
主砲の
岡本和真が昨オフにポスティングシステムでブルージェイズに移籍したことで、パワーヒッターのキャベッジにかかる期待は大きい。巨人OBの
堀内恒夫氏は週刊ベースボールのコラムで、今年のキーマンに挙げていた。
「外国人とはチームの足りない部分を埋めるために連れてくる選手である。大黒柱になる人材は生え抜きの日本人を抜てきしなくてはならない。エースと主力打者は日本人であることが最も望ましい。だが、主砲だった岡本和真が今季からブルージェイズに移籍したことで、チーム編成上のバランスが大きく崩れてしまった。攻撃力に関してはドラフトでの補強、FAでの大物獲得が実現しなかった今季は、キャベッジ、ダルベックの2人に100%依存するしか選択肢は残されていない。この2人と心中するくらいの覚悟を持つことが、首脳陣には求められている。特に来日2年目のキャベッジは日本の野球に慣れてきて、今季は相当な成績を残すことが予想されている」
選手間投票で球宴出場
スケールの大きな打撃はロマンを感じさせる。5月22日の
阪神戦(東京ドーム)では、5点差を追いかける7回二死一塁で難攻不落の左腕・
高橋遥人の148キロ直球を振り抜き、逆方向の左中間スタンドに運ぶ8号2ラン。開幕から絶好調の高橋は今季打者196人目で初被弾を浴びた。試合には敗れたが、大きなインパクトを残した。
ただ、シーズントータルでは86試合出場で打率.243、13本塁打、29打点。上位だった打順は今月中旬以降に七番を打つ機会が増えているが、他球団の評価は高い。選手間投票により来日2年目で初の球宴選出が決まり、「他球団でリスペクトしている選手がたくさんいますし、そういう方々から評価してもらったことは自分としてもうれしい。ジャイアンツの誇りを胸に、全力でプレーすることをお約束します」と誓った。
V奪回のためには、キャベッジの打棒爆発が不可欠だ。来年の契約延長を勝ち取るためにも攻守でアピールできるか。
写真=BBM