球宴前に7試合連続無失点

現在はリリーフとして実績を積んでいる草加
前半戦は最下位に低迷した
中日だが、明るい材料もある。ドラ1右腕・
草加勝が頭角を現していることだ。12試合の救援登板で0勝1敗1ホールド、防御率0.71。ビハインドの場面で投げる機会が多いが、好投を続けることで首脳陣の信頼が高まっていく。
今年は6月4日に一軍昇格すると、6日の
西武戦(バンテリン)から4試合連続無失点。13日の
日本ハム戦(エスコンF)で同点の9回に
水野達稀にサヨナラ弾を浴び、マウンド付近でうずくまったまましばらく立ち上がれなかったが、その後は気持ちを切り替えて結果を出し続けている。
10日以上の登板間隔が空いた24日の
DeNA戦(バンテリン)は2回3奪三振無失点。イニングをまたいだ7回に一死一、二塁のピンチを招いたが、
佐野恵太をツーシームで空振り三振に仕留めると、
筒香嘉智に右前打を浴びたが右翼・
鵜飼航丞の好返球で二塁走者の本塁生還を阻止。好守に救われた。この登板から7試合連続無失点を記録し、前半戦最後の登板となった7月25日のDeNA戦(バンテリン)は1回2奪三振無失点。一死三塁のピンチで
宮崎敏郎を二飛、
勝又温史を空振り三振といずれもツーシームで仕留めた。
「外れ1位」で2球団競合
創志学園高では同学年に絶対的エースの
西純矢(
阪神)がいたため、目立った成績を残すことができず、亜大に進学。「伸び悩んでいた」と振り返るが、2年夏に転機が。生田勉前監督のアドバイスでオーバースローだった投球フォームのリリースポイントを下げたところ、「ボールのキレやスピードが上がり、コントロールも良くなりました。体をしっかり使えるようになったのが一番だと思います」と手ごたえをつかんだ。
4年春はすべて完投で6勝を挙げ、最優秀投手賞を受賞。亜大の先輩で「ピッチングの参考にしている」と慕う
東浜巨(
ソフトバンク)に並ぶシーズン最多の4完封をマークした。リーグ戦最後の登板となった4年秋の国学院大3回戦は99球で5安打無四球完封勝利。負ければ入れ替え戦が決まる大一番で、一部残留を決めた。「マウンドを任されている以上、誰にも譲りたくない。4年になって背番号18を着けさせていただいて、チームを背負っていく中で1戦目と3戦目は譲りたくなかった。自分が投げて勝てばチームもいい方向に行くので」とエースとしてのプライドを口にしていた。
プロのスカウトの評価が高く、ドラフトでは「外れ1位」で中日と
ロッテが競合。中日が当たりクジを引き当てて即戦力右腕と期待されたが、入団してすぐに大きな試練に見舞われた。新人合同自主トレ中に右肘の違和感を覚え、キャッチボールを早めに切り上げて病院に向かうと、「右肘内側側副靱帯損傷」と診断された。
巨人の
田中将大が
ヤンキース時代に受けた「PRP(多血小板血漿注射)」による治療を受ける予定だったが、複数の病院で診察を受けた結果、保存療法よりも成功例の多いトミー・ジョン手術を受けることを決断した。
「立浪(和義前)監督とお話をさせていただいて、『先のことを考えたら早く手術をやったほうがいい』と言ってもらった。監督のひと言が大きかった。ファンの皆さんには申し訳ないですが、しっかりと体をつくって戻ってこられるようにリハビリ、頑張ります」と思いを新たにしていた。
球にキレがありスタミナも十分
長いリハビリを経て、昨年の一軍最終戦となった10月1日の巨人戦(東京ドーム)でデビュー登板を飾った。プロ初登板初先発は1回に5点を失うなど4回途中8安打5失点。ほろ苦い登板となったが、大観衆の中で投げられる喜びをかみしめた。
身長182センチの長身から角度のある直球は亜大の時に最速153キロを計測していたが、術後の現在は145キロ前後。球速が上がっていないが焦る必要はないだろう。球にキレがあり、打者有利のカウントでも空振りやファウルを奪えている。落差の鋭いツーシーム、タイミングを外す110キロ前後のカーブも効果的でスタミナも十分なため、将来は先発に配置転換される可能性が十分にある。
同学年は草加を含めて
西舘勇陽(巨人)、
武内夏暉(西武)、
常廣羽也斗(
広島)、
細野晴希(日本ハム)、
西舘昂汰(
ヤクルト)、
下村海翔(阪神)と東都大学リーグで活躍した7人の投手がドラフト1位で指名されて話題になった。互いの存在は励みになるだろう。切磋琢磨しながら、世代のトップを目指す。
写真=BBM