12カ国・地域の子どもたちが入場行進

WCBF・王貞治理事長と、同評議員の中畑清氏が開会式後に取材に応じ、ポーズを取った[写真=BBM]
第32回世界少年野球大会成田大会の開会式が8月1日、重兵衛スポーツフィールド中台の体育館で行われた。野球教室に参加するオーストラリア、カナダ、ドイツ、ケニア、マレーシア、ネパール、フィリピン、スロバキア、アメリカ、ベトナム、日本、そして国際交流試合に参加する中華台北の順に紹介。12カ国・地域から計105人の子どもたちが元気良く入場行進した。
圧巻のパフォーマンス披露

地元・成田高のダンスドリル部がオープニングでパフォーマンスを披露。一気に場内が盛り上がった [写真=BBM]
オープニングでは2003年に創部した地元・成田高のダンスドリル部ビガーズが圧巻のダンスパフォーマンス。昨年のアメリカ大会で1位、審査員特別賞に輝いた実力を披露した。一糸乱れぬ、統率のある動きで圧倒。マイクを持った代表者が「皆さんに少しでも、笑顔と元気を届けられたらうれしいです」と話すと、会場内からは大きな拍手が沸き起こった。
王理事長は多くの支援に感謝

開会式前に集合写真。「We Love Basebal!!」と連呼し、最後は両手を上げて大喝采してのポーズ。大会開幕の機運を高めた[写真=BBM]
開会宣言は日本野球連盟・清野智会長(組織委員会委員)が務め「世界平和のためにも、たくさんの友だちをつくって帰ってください」と話した。
開催地を代表して成田市の小泉一成市長(組織委員会顧問)があいさつした。
「参加される皆様には、1週間の共同生活を送りながら、野球教室や国際交流試合などのさまざまな体験を通して、言葉や文化を超えた友情を育み、素敵な思い出をたくさん持ち帰っていただけたらと思います。無事に本大会が皆様にとって、生涯忘れることのできない素晴らしい大会となりますこと、そして選手の皆さん一人ひとりの健康を心からお祈念申し上げます」
主催者を代表して王貞治理事長(組織委員会会長)があいさつした。
「本大会も今年で第32回を迎えることになりました。参加してくれる少年少女の皆さん、昨日、よく寝られましたか。この1週間、暑いですけど、どうぞ参加した皆さんとしっかり仲良くして、この大会以降も皆さんとの関係が続くような友だちをたくさんつくってください。成田市で2回目の開催となりますが、本当に成田市の皆様には大々的に迎えていただきまして、この大会が開催されることを大変うれしく思っております。成田市長さんをはじめ、多くの皆さんに心より感謝を申し上げます。また、今日ご出席いただきました関係者の皆様、またご支援いただいた皆様に、ここから本当に心から特に本大会を大いに盛り上げて、より大きく大きな大会にするべく頑張ることをお誓いしまして、私のあいさつとさせていただきます」
複数人の来賓が紹介されると、王理事長はそのたびに立ち上がり、丁寧に一礼している姿が印象的だった。
スペシャルゲストとして
ソフトバンク・
城島健司CBOが紹介され、この日は国際交流試合の始球式に参加し、大会期間中には市内中学校の野球部を対象に野球教室を実施する予定だ。
卒業生が現場に恩返しする好循環

WBSCコーチの米田文彦氏は1993年の第4回大会に参加。今回は子どもたちへの「恩返し」の場となっている[写真=BBM]
大会期間中、子どもたちを指導する世界野球ソフトボール連盟(WBSC)からコーチ6人、アシスタントコーチの山梨学院大学硬式野球部、さらには選手のサポート、通訳をするホストスタッフ18人が紹介された。なお、過去の大会で当時選手として参加した米田文彦氏(WBSCコーチ、1993年・第4回のサンディエゴ大会参加)ら4人が、大会スタッフとして戻ってきた。卒業生がお世話になった現場に恩返しする好循環が生まれているのだ。
最後にオーストラリア、スロバキア、日本の参加者から今大会の意気込みを話した。
オーストラリアのアイザック君は「ピッチング、バッティングの精度を高めたいです。また、地元のお店について知ったり、日本食を楽しんだりしたいと思っています。さまざまな国・地域の人たちと友だちになりたいです」と力強くメッセージを発信した。
日本の文化に触れる意義

国際交流試合の開幕試合では中華台北と久住マリーシアズが対戦。試合前には記念撮影が行われた[写真=BBM]
開会式後、王理事長と中畑清評議員(組織委員会委員)が報道各社の取材に応じた。王理事長はまずは、大会開催の意義について語った。子どもたちには将来の先導役、架け橋役に期待している。
「初めての子どもさんもいるんです。 やっぱり野球の楽しさを、皆によく知ってもらって、できればその後もずっと続けてほしいんです。やはり今の時代ですから、男性と女性が一緒に楽しめますし、やはり野球の輪というのは、まだ世界的に見るとまだまだ小さいものですから、ワールドカップのサッカーみたいな形で世界的に広めたいと思うので、参加した子どもたちがそれぞれの国に帰って、それぞれのところに仲間をつくってプレーしてもらうようにするのが我々の願いなので、暑い中ですけど頑張ってほしいです」
野球教室以外にも日本の文化に触れるなど、国際交流プログラムが用意されている。
「成田山新勝寺は他の国にはない規模の国の重要文化財です。子どもたちにとって、ものすごく良い思い出になると思うんですよね。やはり、人間は精神的なものが大事だというところを学んでもらいたいと思いますし、帰ってからも、日本の文化を忘れないで生きていってほしいなと、そう思います」
王理事長は子どもたちの表情を見て、どう感じたのか。
「本当に新たなチャレンジという意味で、経験と言いますか、男の子と女の子がみんな一緒に入っていて普段、そういう子どもたちだけの団体生活はしたことないと思うんですよね。この1週間で今までにない体験をして、友だちをたくさんつくって、その後もずっと続けて、今どきメールとかそういうツールで連絡が取りやすいですからね。これを機に、友だちになるような関係になってほしいなと思います」
中畑評議員には「野球の素晴らしさ」をどのように伝えたいかを聞いた。
「やっぱり野球は一人ではできないので、そういった意味でのつながりというか、絆というか、そういうものを理事長が言っている通り、世界に広めていきたいというのが一番の願いです。その絆の広がりというのを、大事にしてほしいなと思います。そのきっかけになってくれたらいいなと思っています」
午後からは早速、野球教室と交流試合がスタートした。猛暑のため、野球教室は体育館で行われ、ボール、グラブ、バットを手に子どもたちの楽しむ姿が見られた。交流試合では中華台北チームと日本チームが白球を通じて、中畑評議員が言う「絆」を深めていた。大会は6日まで(7日に参加者出発)行われ、子どもたちにとって一生、忘れられない夏休みになる。
取材・文=岡本朋祐