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同学年の佐藤輝明に匹敵する素材 本塁打王狙える「中日の長距離砲」は

 

球宴でMVPを獲得する大活躍


8月1日の広島戦で2本塁打を放ち、勝利に貢献した細川


 ホームランアーチストとしての潜在能力は計り知れない。中日細川成也が8月1日の広島戦(マツダ広島)で今季初の1試合2本塁打。初回に斉藤優汰の直球を左中間に叩き込む16号ソロを放つと、5回は菊地ハルンがフルカウントから投じた直球を逆方向の右中間席に17号ソロを放った。チームも7対1で快勝し、5位・広島に1ゲーム差に接近した。

 球宴での大活躍で、自信を取り戻したように見える。ホームランダービーに出場し、1回戦でレイエス(日本ハム)、準決勝で牧秀悟(DeNA)、決勝で佐藤輝明(阪神)と球界を代表する強打者を次々に撃破し、初優勝を飾った。富山で開催された第2戦では、2本塁打を含む3安打3打点の活躍でMVPを受賞。セ・リーグの「三番・左翼」でスタメン出場すると、両軍無得点で迎えた3回に佐藤が先制2ランを放った直後に、高橋光成(西武)の149キロ直球を左中間に運んだ。28日の第1戦(東京ドーム)の球宴1号に次ぐ2試合連続アーチを放つと、1点差を追いかける6回一死一塁で椋木蓮(オリックス)の150キロ直球をバックスクリーンへ逆転2ラン。加速しながらグングン伸びる軌道に、中堅を守る周東佑京(ソフトバンク)が苦笑いを浮かべていた。

オールスターで計3本塁打をマークするなど存在感を発揮した


 中日の選手が球宴で1試合2本塁打を放つのは史上3人目の快挙。ホームランダービー制覇&MVPのダブル獲り、現役ドラフトで移籍した選手の受賞はいずれも史上初となった。左翼の守備でも魅せた。4回一死三塁で西川龍馬(オリックス)が放った飛球を処理すると、すぐに本塁へ送球。捕手・坂本誠志郎のミットにワンバウンドでストライク返球し、俊足の三塁走者・滝澤夏央(西武)の本塁突入を阻止した。セ・リーグの勝利に攻守で大きく貢献し、「現役ドラフトで、ずっとテレビで見ていた側なので、この舞台で野球ができて幸せです」と試合後のお立ち台で感慨深げだった。

中日移籍が大きな転機


 DeNAで伸び悩んでいたが、現役ドラフトで中日に移籍したことが大きな転機に。2023年から3年連続20本塁打をマークした。1997年に本拠地がナゴヤ球場から移転後、97〜00年のレオ・ゴメス、03〜06年の福留孝介、05〜08年のタイロン・ウッズ以来4人目で、日本人の右打者では史上初の快挙だった。

 チームに不可欠な存在に成長し、「最低20本というのは目標ではないですが、クリアできたのは良かった。現役ドラフトで崖っぷちからはい上がれた。ベイスターズのときから、あきらめずに練習していて良かった。もっともっといい選手になれるように頑張ります」とさらなる飛躍を誓っていた。

夏場に強いスラッガー


 今年は3、4月に打率.326、3本塁打、10打点をマークしたが、5月は打率.120、3本塁打、16打点と打撃不振に。3死球と相手バッテリーのマークが厳しくなったことは間違いないが、5月13日のDeNA戦(横浜)の第2打席から28打席連続無安打と苦しみ、「ボール球を追いかけてしまって、状態が悪くなっていた」、「自分でも正直どうしていいか分からなかった。寝付きも悪かった。何とかどこかで良いきっかけになるホームランが出てくればいいなと思っていました」と苦悩の胸中を明かしていた。

 6月も打率.194、4本塁打、14打点と好調を持続できず、前半戦終了時点で打率.226、15本塁打、47打点。試行錯誤の時期が長かっただけに、球宴での大活躍は大きな光が差し込んだだろう。

 細川は夏場に強い。昨年は20本塁打のうち、7、8月の2カ月間で半数の10本を稼いだ。一昨年も7、8月でともに4本塁打、9月に5本塁打と気温が上がる暑い時期に上昇気流に乗っている。

 今年からバンテリンドームにホームランウイングが設置され、フェンスは本塁から最大6メートル近くなり、フェンスの高さも下がった。森下翔太(阪神)がリーグトップの25本塁打をマークし、佐藤が22本塁打で細川と少し差が開いているが、夏場にアーチを量産すればひっくり返す可能性は十分にある。長距離砲としての素材は、メジャーが注目する同学年の佐藤にも負けていない。最下位からの巻き返しに向け、熱い夏にする。

写真=BBM
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