サヨナラ勝利に貢献

今季も貴重な中継ぎ左腕として開幕から稼働している森浦
投手力でもぎ取ったサヨナラ劇だった。
広島は8月4日の
巨人戦(マツダ広島)で先発の
栗林良吏が初回に
ボビー・ダルベックに先制の3ランを被弾したが、ここから追加点を許さない。栗林は5回3失点と踏ん張ると、6回以降は
菊地ハルン、
黒原拓未、
益田武尚、
森浦大輔、
高太一、
辻大雅、
遠藤淳志と7投手の継投策で巨人打線を無失点に封じ込めた。投手陣の奮起に打線が応える。同点に追いつくと、延長12回二死から
サンドロ・ファビアンが相手守護神の
ライデル・マルティネスからサヨナラ弾を放って勝負を決めた。
快投を見せた救援陣の中で、特に印象的な投球を見せたのが同点に追いついた直後の9回に登板した森浦だった。先頭の
岸田行倫をチェンジアップで二飛、
佐々木俊輔をスライダーで左飛とフルスイングさせず、
皆川岳飛をチェンジアップで3球三振に。わずか9球で完ぺきに抑えた。
プロ5年で4度の50試合以上登板
リリーバーとして、コンスタントに稼働している。故障で離脱することなく投げ続けることは、大きな価値がある。新人の2021年に54試合登板するなど、プロ5シーズンで4度の50試合以上登板。躍動感あふれるフォームから常時150キロ前後を計測する直球、キレ味鋭いスライダー、独特の軌道を描くチェンジアップで打者を翻弄する。昨年は自己最多60試合登板で2勝3敗12セーブ25ホールド、防御率1.63をマーク。開幕から9試合連続無失点と春先から好調で、栗林の不調で5月に守護神を務めた際も安定した投球を続けた。
プライベートで励みになる出来事もあった。
「7月8日に第1子の長男が生まれました。
阪神戦(マツダ広島)のナイター前、練習後に病院に行ったんですが、生まれたのは19時半ぐらいで、ギリギリ立ち会えず……でした。病院では『試合中には生まれるよ』と言われて、気になってはいましたけど、試合に集中しながら、という感じでした。元気に生まれてきてくれて良かったです。今年は監督推薦でオールスターにも選ばれて、うれしいこと続きです。自分が野球をやっている姿を子どもに見てもらいたいというか、長く続けたい思いはあります。父親としても、周りを見て学んでいければ。新しい家族が増えて、より一層の責任感を持って、これからも頑張っていきます」(『週刊ベースボール』2025年7月28日号より)
CS進出のためにも腕を振る
昨オフは侍ジャパン強化試合・韓国戦のメンバーに選出された。「うれしく思いますし、シーズンどおりに落ち着いて自分の投球ができたらと思います。3年前(2022年秋の強化試合・オーストラリア戦)と違って時間もあるので、ボールの感覚もつかめて、いい感じかなと思っています。乾燥して滑る感じはあるけど、慣れたらこんなものかなと。ほかに選ばれたメンバーで、あまり話ができる選手がいないので、合宿でまずは友達を……。同い年の藤平(
藤平尚真=
楽天)、種市(
種市篤暉=
ロッテ)と仲良くできたら。今回選ばれたからには(来春の)WBCも目指して、アピールできるように頑張ります」と誓っていた。
11月15日の韓国戦では2本塁打を浴びるなど1回3失点と悔しい結果に終わり、翌年3月のWBCメンバー入りは果たせなかった。しかし、この経験がさらなる成長への糧となった。
今季は開幕直後こそ痛打を浴びる場面もあり、4月終了時点では防御率5.40だったが、その後は本来の安定感を取り戻した。ここまで41試合に登板し、4勝2敗13セーブ10ホールド、防御率2.50。39回2/3を投げて50奪三振を記録し、奪三振率11.34と高い数字を残している。セットアッパー、抑えと与えられた役割を着実に果たし、2年連続60試合登板も視野に入ってきた。
チームは借金13を抱えながらも、3位・
ヤクルトに3ゲーム差。逆転でのCS進出へ望みは十分に残されている。森浦は試合を左右する重要な場面での投球が続くが、安定した投球を続けることで存在価値がさらに高まる。愛する家族のためにも、そしてチームのためにも、救援陣の柱として左腕を振り続ける。
写真=BBM