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佐藤輝明、森下翔太だけではない…メジャーが熱視線を送る「黄金世代の強打者」は

 

悔しい思いを糧にはい上がる


逆方向にも長打を放てる強打の内野手だ


 気持ちを切り替えて前に進むしかない。DeNAが8月16日のヤクルト戦(神宮)で同一カード3連敗を喫し、4位に転落。「二番・二塁」でスタメン出場した牧秀悟は攻守で奮闘したが実らなかった。2回一死二塁のピンチで、伊藤琉偉の二遊間へ鋭いライナー性の打球をダイビングキャッチ。飛び出していた二塁走者・西村瑠伊斗が帰塁できず併殺にすると、打ってもマルチ安打でチャンスメークと存在感を発揮した。

 昨季は夏場に左手親指付け根を負傷し、手術を余儀なくされた。プロ入り後に初めて長期離脱を経験し、自己最少の出場93試合で打率.277、16本塁打、49打点。「チームに迷惑をかけた」と悔しさをにじませた。

 2大会連続で出場した今年のWBCでも悔しい思いをしている。1次ラウンドのチェコ戦を除く4試合で先発出場したが、13打数2安打、打率.154、0本塁打、1打点。準々決勝でベネズエラに敗れて大会連覇を逃し、「本当に『ただ出ているだけ』という試合が多すぎた。ふがいなさはあるんですけど、これをプラスに変えて。よりポジティブに戦って、次につなげていかないといけない」とはい上がることを誓っていた。

監督からの大きな期待


 今年から就任した相川亮二監督は、牧に対する期待が大きい。昨年は四番を打つことが多かったが、3月26日の全体ミーティングで開幕戦の先発メンバーを発表した際に「チームの顔として一番で挑戦してください」と声を掛けている。一番に据える指揮官の狙いは得点力向上だ。シーズンを通じて試合に出場すると、四番は一番と比べて約50打席少なくなる。「できるだけ打席が回る打順にいい打者がいるべき」という考えで、一、二番を託している。

 打率.333、2本塁打、10打点と春先から打撃好調だったが、思わぬアクシデントに見舞われた。4月24日の巨人戦(横浜)で、三塁に内野安打を放った際に右大腿裏を肉離れして戦線離脱。復帰に約40日間を要し、一軍に復帰したのは6月初旬だった。牧のいないチームは投打の歯車がかみ合わず、交流戦で5勝13敗と大きく負け越して11位。6月は4勝15敗と失速して借金が最大15にふくらんだ。

7月には月間MVP受賞


 このままズルズル負けるわけにいかない。起爆剤になったのが、戦列復帰した牧だった。「リハビリ期間中は、やりたいことを一からできた。とにかく万全な状態で戻ることがベストと常々思っていた。いるだけで雰囲気が変わるような選手でありたい」と有言実行の働きを見せる。7月は21試合出場で、打率.268、10本塁打、17打点で月間MVPを受賞。広角に本塁打を打ち分け、チームはこの月に12勝9敗1分と上昇気流に乗せる。

 8月は少し量産のペースが落ちたが、打撃の感覚は決して悪くない。12日の中日戦(バンテリン)では、1点差を追いかける3回に涌井秀章のカーブに体勢を崩されながらも下半身の粘りでうまく拾い上げ、左翼席に19号同点ソロ。9回も藤嶋健人の直球を逆方向の右中間へライナーで20号をたたき込んだ。

長打+高いコンタクト能力


 大谷翔平(ドジャース)、鈴木誠也(カブス)、岡本和真(ブルージェイズ)、村上宗隆(ホワイトソックス)がメジャーで20本塁打をクリアし、NPBでは本塁打王争いを繰り広げる阪神佐藤輝明森下翔太の注目度が高いが、牧もメジャーからの評価が高い。スポーツ紙記者は「牧が出場している試合を米国の数球団がバックネット裏からチェックしています。鈴木誠也のように本塁打を打てるだけでなく、コンタクト能力が高い。メジャー挑戦となれば獲得に乗り出す球団が間違いなくあるでしょう」と太鼓判を押す。

 牧と同世代の「98年世代」は山本由伸(ドジャース)、今井達也(アストロズ)、佐藤輝、村上頌樹才木浩人(すべて阪神)、細川成也(中日)、坂倉将吾(広島)、山崎伊織(巨人)、山野太一(ヤクルト)、種市篤暉(ロッテ)、藤平尚真(楽天)、大津亮介山本祐大(ともにソフトバンク)とタレントの宝庫だ。黄金世代の中心として、牧は輝いてほしい。目指すのはCS圏内の3位ではない。首位・阪神と10.5ゲーム差。V奪回は厳しい状況だが、可能性がある限り白星を積み重ねる。

写真=BBM
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