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本塁打量産で打撃好調 契約最終年で輝く「DeNAの主砲」は

 

8月は7本塁打をマーク


夏場を迎え、打撃の調子を上げてきた筒香


 この男が打つと、DeNAは勢いづく。筒香嘉智が8月に13試合出場で月間打率.313、7本塁打、10打点をマーク。19日の巨人戦(横浜)は下半身のコンディション不良でベンチ入りメンバーから外れたが、試合前の練習でノックを受けていた。慎重を期しながらも、スタメンに早期復帰することを願うばかりだ。

 今年は開幕から打撃好調だったが、上半身のコンディション不良で4月19日に戦線離脱。5月上旬に復帰後は試行錯誤していたが、気温の上昇と共に打撃の状態が上がっていった。8月8日の広島戦(横浜)で同点の延長12回にアドゥワ誠の外角高めに浮いたチェンジアップを左翼席に運ぶサヨナラ弾。逆方向にアーチが出るのは好調のサインだ。2019年9月4日阪神戦(横浜)以来7年ぶりのサヨナラ打に、ナインから手荒い祝福を受けた。

 13日の中日戦(バンテリン)は初回二死で金丸夢斗が投じた内角低めの148キロ直球を右翼席へ12号先制ソロを放つと、6回も牧秀悟のアーチに続き、左翼のホームランウイングへ13号ソロ。今季初の1試合2発で突き放した。

高校時代の恩師の訃報


横浜高では高校通算69本塁打を放ち、スラッガーとして名をはせた


 母校の横浜高が甲子園で熱戦を繰り広げている中、訃報が届いた。横浜高の元監督で数多くのプロ野球選手を育てた渡辺元智さんが今月17日に81歳で逝去した。筒香にとって、渡辺さんは野球のみならず人生に大切なことを教えてくれた恩師だ。高校時代は1年から四番を担い、2年時に2季連続で甲子園に出場。夏は打率.526、3本塁打、14打点をマークし、ベスト4進出の立役者となった。強烈なインパクトを残したのが準々決勝・聖光学院高戦だ。5回に右翼ポール際へ2ランを放つと、6回は2打席連発となる満塁本塁打を右翼席へ。7回は2点適時二塁打を含む1試合8打点と大暴れした。

 高校通算69本塁打をマークしてプロ注目のスラッガーとなったが、謙虚な姿勢が変わらなかったのは渡辺監督の教えがあったから。甲子園で活躍することがすべてではない。野球を離れても努力次第で人生が輝ける。野球人生は限られている。結果は大事だが、それ以上に野球に向き合う姿勢を大事にしてきた。

 34歳になった現在は、DeNAの主将としてチームを牽引している。昨オフに相川亮二監督が就任し、19年以来7年ぶりに主将に託された。昨年まで主将を務めた牧秀悟がWBCで2月半ばから1カ月以上チームを離れるため、自分のことに集中させたいという配慮と共に、「彼のキャプテンシーは素晴らしいものがある。もう一度チームを引っ張ってもらいたい」という指揮官の筒香への熱い思いがあった。この熱意に心が揺さぶられる。詳細は「心の中にしまっておきたい」と伏せたが、「本当に心が動くような熱い言葉をいただきました」と気持ちを新たにした。

チームの勝利のために


 チームは1998年を最後に28年間リーグ制覇から遠ざかっている。

「優勝できていないのには必ず理由がある。(ナインの言動が)優勝に向いていなければ、言いたいことは言います」

 嫌われ役も買って出る覚悟で、春季キャンプ中は常にチームの中心にいた。昨年12月に現役ドラフトで中日から加入した濱将乃介は、ファーム組の嘉手納から一軍の宜野湾に合流した際、印象的な出来事があった。強風のため室内練習場で非公開練習を行った際、「筒香さんが投内連係で引っ張ってくれているのが見えました。やっぱりすごいなと」と驚きを口にした。圧倒的な存在感がチームに勇気と安心感をもたらす。

 今年は借金が15までふくれあがったが、7月以降は23勝14敗1分けで借金を6に減らして3位に浮上。2位・巨人に6.5ゲーム差とまだまだあきらめる位置ではない。

「個の力はチームにとって非常に大きなもの。でも、ベイスターズの野球は『個』はもちろんありながら『チームとして』ということも掲げている。そこに意識を持って取り組むのは当たり前。選手はそれをやり通す義務がある」

 筒香は今年で3年契約の最終年を迎える。契約延長は確実とみられるが、今は目の前の1試合に勝つことにすべての神経を集中させる。

写真=BBM
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