リーグトップの盗塁数

走攻守のすべてでチームの力になっている浦田
今年の
巨人で最も大きな収穫が、
浦田俊輔の台頭だろう。
開幕から試合に出続けて疲労は当然あるはずだが、パフォーマンスが落ちない。8月21日の
広島戦(東京ドーム)では1点リードの一死二塁から三盗に成功。リーグトップの32盗塁をマークした。浦田は週刊ベースボールのインタビューで、盗塁で大切にしている点について以下のように語っている。
「スタートですね。盗塁はもう、スタートが良ければ決まるので。スタートを一番大事にしています。相手バッテリーの傾向はもちろん見てデータは頭に入れていますし、バッテリーのクイックや送球のタイムによって走るか走らないかを決めているんですけど、その上で反応が大切になっていきます。球場によって足場が違うので、その部分は変わってくるんですけど、やっぱり一歩目ですね。スタートを切った一歩目で、『これは行ける』『これはまずい』というのはだいたい分かります」
意識の変化で打撃好調
不動の二塁手だった
吉川尚輝が両股関節の手術で開幕に間に合わず、大きな懸念事項だったが、浦田がその穴を補って余りある活躍を見せている。新人の昨年は22試合出場で打率.208。盗塁がゼロに終わったが、今年は大きな成長を見せている。定位置奪取へ、際立つのが打撃の活躍だ。月間成績を見ると、3、4月は打率.200だったが、5月以降は3カ月連続で打率3割をクリア。今月も打率.296をマークし、一番でチャンスメークしている。好調を持続している要因は意識の変化だった。
「バッティング練習かなと思いますね。今年のシーズンが始まっても、最初のころは来た球を打つだけというか、ライナーを意識するくらいで、はっきり言って“なあなあ”になっていたバッティング練習でした。そこから逆方向だったり、間(ま)の取り方だったりを意識するようにしていったら、試合でも1本出たりとか、結果につながるようになっていったので、バッティング練習かなと思います。(実戦を想定した打撃練習で)やっぱり変わりますね。阿部(
阿部慎之助)前監督がずっと自分におっしゃってくれていたので、その教えを今も継続しています。バッティング練習を、いかに実戦につなげるバッティングにできるかということをずっと教わっていたので。今、形になってきたのかなと思います」
「ケガのない選手になることが一番」
守備でも大学まで主に守っていた遊撃と二塁は体の使い方が違うが、俊足を生かした広い守備範囲と強肩で、チームの窮地を幾度も救っている。打って、走って、守って。貢献度が非常に高く、球宴にも初出場した。
盗塁王のタイトルを獲得できるか注目されるとともに、熾烈な新人王争いが注目されている。チームメートのドラフト1位左腕・
竹丸和幸が開幕から先発ローテーションで稼働してきたが、8月15日の
中日戦(バンテリン)で3回9安打8失点KO。疲労が影響しているのか、生命線の直球にキレがなかった。18試合登板で8勝9敗、防御率3.93と奮闘していたが、翌16日にファームで再調整が決まった。コンディションを取り戻して、一軍の舞台で再び白星を積み重ねられるか。
一方で、浦田と同じくプロ2年目の最速163キロ右腕・
工藤泰成(
阪神)が評価を高めている。課題だった制球力が安定したことで今月は守護神で起用されることも。40試合登板で3勝0敗3セーブ10ホールド、防御率1.05の好成績をマークしている。
成長著しい若手たちの争いが注目されるが、今の浦田はチームを勝利に導くことしか頭にない。
「ケガのない選手になることが一番です。具体的な数字の目標とかもないですね。まずは試合に出続けて、チームの日本一という目標に貢献すること。そうすればシーズンが終わったときに、自分の立ち位置や現在地というものが見えてくるのかなと思います」
首位・阪神と2.5ゲーム差。逆転でのリーグ優勝に向け、ダイヤモンドを疾走する。
写真=BBM