仲田慶介が自身初のお立ち台

8月25日の日本ハム戦でチームの全3打点を挙げて勝利に貢献した仲田
パ・リーグ2位の
西武は8月25日の日本ハム戦(ベルーナ)に3対1で勝利。貯金を18とし、残り26試合で首位・
ソフトバンクとの5.5ゲーム差をキープするとともに、3位・日本ハムとの差を4ゲームに広げた。
7回を6安打無失点に抑えた先発・
平良海馬は、2023年以来となる2度目の2ケタ勝利となる10勝(3敗)をマーク。打の殊勲者は、2021年の育成ドラフト14位でソフトバンクに指名された苦労人、
仲田慶介だった。
前戦の
楽天戦に続き「九番・二塁」でスタメン出場した仲田は、5回一死一塁の第2打席で相手先発・
伊藤大海のフォークを拾い、右中間へ先制の適時三塁打。ガッツポーズを見せた。6回の第3打席では再び伊藤から左犠飛を放って追加点。1点差に迫られた8回二死二塁の第4打席では、三番手・
ラオから右翼線へ適時三塁打を放ち、この日のチームの全3打点をマークする文句なしのヒーローとなった。
プロ入り初のお立ち台に立った仲田は「(5回は)巡ってきたチャンスだったので、とにかく必死に結果を残しに行った。ホッとしましたし、すごくうれしかった。(3打点は)本当に必死に食らいついていった結果かなと思う。(ここ2試合は)野球人生を懸けて、チャンスをつかめるように必死に頑張りました。もっともっと結果を出せるように頑張ります」と語り、スタンドから温かい拍手を浴びた。

平良[右]とともにお立ち台に上がった仲田。プロ入り後、初の経験だった
さらに、プロ入り初のお立ち台の感想を聞かれると、「本当に苦しい時期が多くて……。お立ち台に上がることを目標に頑張ってきたので……。これからもっともっと、ここに立てるように、頑張りたいと思います」と声を詰まらせながらコメント。スタンドからは、より大きな歓声が送られた。
西口文也監督も「(23日の楽天戦で)
佐藤太陽が出られなくなって、そのチャンスをものにして今日につながったと思います。今までベンチでため込んでいたものを一気に吐き出してくれた」とコメント。勝負の9月を迎える大事な時期に、チームの新たな推進力となった仲田の活躍を称えた。
8月は貯金5と上昇気流
こうした「日替わりヒーロー」の出現は、現在の西武を象徴している。
交流戦明けの7月、チームは9勝11敗1分けとペースダウン。昨年同様の夏場の失速も心配された。だが、8月に入ると先発陣が再び持ち直し、打線からも
中村剛也、
古賀悠斗、
小島大河ら、日替わりでヒーローが生まれる好循環が生まれた。接戦をものにし、ここまで13勝7敗とソフトバンクを追い上げる態勢を整えつつある。
今月上旬、捕手の古賀はソフトバンクの強さについて「選手個々の能力が高い。マジックがついてからが強いですね」と語る一方、西武が逆転Vを果たすための条件をこう口にしていた。
「やっぱり大事になってくるのはチーム力じゃないですか。先発ピッチャーは最少失点に抑えて試合をつくる。あとは野手が頑張って、点を取らないと。全員が一斉に良くなったり、悪くなったりするのではなく、誰かが打てないときは誰かがカバーする循環が大事かなと思う」
まさに今、5月、6月の快進撃を支えたその循環が再び生まれ始めている。
シーズンは残り26試合。今季最大の天王山となりそうなのが、9月4日から敵地・福岡で行われるソフトバンクとの3連戦だ。3連勝を狙いたい直接対決前に、まずはそこまでにどこまでゲーム差を詰められるかが重要になる。
チーム関係者は「あと2ゲームぐらい詰まってくれれば、(逆転Vの)雰囲気は出てくると思います」と語る。その言葉どおり、福岡決戦までの戦いで5.5ゲーム差を3.5ゲーム差まで詰められるか。そこには、仲田のような選手が新たなヒーローとして名乗りを上げられるかどうかも大きく関わってくる。
3年連続Bクラスからの再建中にある西武だが、貯金18の2位という現状に満足している者はいない。日替わりで生まれるヒーローがチームに推進力を生み出し、首位・ホークスにプレッシャーをかけ続ける。ライオンズが優勝戦線に残れるか否か。福岡決戦が終わるまでの11日間、8試合が重要な意味を持ってきそうだ。
文=伊藤順一 写真=兼村竜介