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シーズン39本塁打ペース 来季の去就注目される「中日の長距離砲」は

 

チームが渇望した長距離砲


8月25日の阪神戦で勝利を呼ぶ2ランを放ったサノー


 このパワーは大きな武器だ。8月25日の阪神戦(バンテリン)。中日のミゲル・サノーが1点差に追い上げてきた直後の6回に試合の流れを再び引き寄せた。無死一塁から二番手・神宮僚介のスライダーを左翼席に運ぶ19号2ラン。2試合連続アーチで、新外国人では2017年のアレックス・ゲレーロ以来球団史上9年ぶりの20本塁打に王手をかけた。

 貧打に悩まされてきた中日が渇望した長距離砲だった。メジャーではツインズでシーズン30本塁打を2度マークするなど通算164本塁打。確実性に課題があったが、長距離砲としての資質は申し分なかった。「日本で初めての開幕を迎えるということで本当にワクワクしている。とにかく楽しんで自分の野球をやりたい」と胸を高ぶらせていたが、3、4月は月間打率.217、3本塁打、8打点。低めのボール球になる変化球に手を出して空振りするケースが目立った。

 日本の配球に慣れるためには時間を要する。試合に出続けることが重要だったが、想定外のアクシデントに見舞われた。4月14日の広島戦(豊橋)。初回に2点を先制してなお一死二、三塁の好機で森下暢仁のカーブを捉えて右翼フェンス直撃の2点適時打を放ったが、二塁を狙ってタッチをかいくぐろうとした際に左足の肉離れを発症。途中交代し、1カ月半戦列を離れた。

 試練を味わったが、ここからはい上がる。6月7日に一軍昇格すると、コンスタントに本塁打を打ち続ける。7月8日のDeNA戦(横浜)から10日の広島戦(バンテリン)まで3試合連続アーチ。「チームの期待に応えようと思うし、故障なく、長く野球をやりたいと思っているので、しっかりと役に立ちたい。とにかく勝つことに集中することが大事だ。まだまだ試合数は残っている」とベンチでも声を出してナインを鼓舞していた。

巨体を誇り愛称は「ゴリラ」


パワフルなバッティングがチームの大きな力となっている


 身長196cm、体重126kgの巨体で愛称は「ゴリラ」。底抜けの明るいキャラクターで若手選手たちに教わった「サノちゃんペッ!」のパフォーマンスを披露するなど、チームの盛り上げ役に。日本の生活、文化に適応しようとする姿勢が伝わってくる。

「6月30日からの阪神戦は初めての甲子園だった。来日1年目。甲子園で日本の高校野球の全国大会が開催されていることは知っていた。選手たちが土を集めている姿をテレビや動画で見たことがあるんだ。土を持ち帰るというのは独特な文化だよね。日本で高校1年生にあたる16歳のとき、僕はすでに母国のドミニカ共和国を出て、メジャーのツインズと契約を交わしていたんだ。野球を通して出会った、尊敬するプレーヤーのジャスティン・モルノー(ツインズほか)は2014年の日米野球のときに甲子園でプレーしている。縁を感じるね。シーズンも残り半分。いろいろな球場の雰囲気を楽しみながら、パワフルにプレーしていくつもりだよ」

フォア・ザ・チームの思い


 熱いハートの持ち主でもある。開幕から5連敗を喫するなど、4月上旬に負けが込んでいた時期に選手だけでミーティングが開かれた際、自ら手を挙げて発言した。「自分もメジャーでそういう経験はしてきた。周りはいろんなことを言っているけど、自分たちだけを信じて頑張ろうよ」。殊勲打を打った選手に駆け寄ると何度もハイタッチを繰り返し、痛打を浴びて肩を落としてベンチに戻ってきた投手に寄り添う姿が。フォア・ザ・チームの思いは誰よりも強い。

 70試合出場で打率.221、19本塁打、40打点。143試合で換算すると39本塁打を量産する主砲が気になるのは今後の去就だ。セ・リーグは来季から指名打者制が導入されるため、守備の負担が軽減されるサノーは本塁打王争いを繰り広げる可能性が十分にある。

 チームは現在借金15を抱えているが、3位・DeNAと2.5ゲーム差に迫っている。逆転でのCS進出を目指し、パワフルな打撃で何本のアーチを量産できるか。打線のキーマンであることは間違いない。

写真=榎本郁也
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