抜群の安定感を誇る投球

移籍2年目の今季、中継ぎで存在感を発揮している浜地
6月終了時点で借金15までふくれあがったが、7まで減らしてCS圏内の3位に浮上した
DeNA。その原動力になっている右腕が、
阪神から現役ドラフトで移籍2年目を迎えた
浜地真澄だ。
移籍1年目の昨年はセットアッパーとして期待されたが、右肘痛に悩まされて3試合登板のみ。昨年7月に手術を受け、育成契約で再出発となった。今年3月の春季教育リーグで実戦復帰すると、ファームで好投を続けて7月10日に支配下復帰。移籍後初登板となった7月21日の古巣・阪神戦(甲子園)では同点の7回にマウンドに向かうと、阪神ファンからも拍手が送られた。
先頭打者の
元山飛優を外角高めの直球で空振り三振に仕留めるなど三者凡退の快投。20試合登板で12ホールド、防御率0.92と抜群の安定感で「勝利の方程式」を担っている。150キロ前後の直球にカットボール、スライダーを操りテンポ良くアウトを積み重ね、19回1/3を投げて四死球はわずか1つのみと制球に不安がないのが大きな強みだ。
阪神時代の2022年にブレーク
浜地がブレークしたのは阪神時代の2022年だった。52試合登板で21ホールド、防御率1.14をマーク。このシーズンは3位に終わったが、救援陣の防御率2.39はリーグ断トツトップだった。
湯浅京己、
岩崎優が50試合以上登板して防御率1点台をマークするなどハイレベルなチーム内競争が大きな刺激に。週刊ベースボールのインタビューで以下のように振り返っている。
「阪神のブルペン陣が本当にすごいんです。この投手陣と一緒にいると、2度同じ失敗をすると次に起用してもらえないのでは、という考えになりますし、それを許してくれないような力のあるブルペン陣だと思っています。また、みんなで高め合う中で、僕もそれに乗っていった感じです。そして、僕の中では、いい意味での危機感がずっと続いています」
当時
ソフトバンクのエースだった
千賀滉大(現メッツ)の自主トレに毎年参加していたことも成長の糧になった。
「3年間ですごい量の引き出しをもらうことができました。その中ですべてのことを取り入れようとするのではなく、今の自分に必要だな、と思うこともありますが、この引き出しは、今の自分にはまだ必要ないな、という取捨選択がうまくできるようになったことが、今年の結果につながっているのかなと思います」
「トレーニングや調整法などもいろいろと勉強にはなっています。でも一番自分のモノになったと思うのは『考えること』です。千賀さんはあれだけのキャリア、成績を残しているのに、いまだにすごく考えて、考えて投げています。『こんなに考えているなら、自分はもっともっと考えないといけない』とすごく痛感しました。ただそれだけではダメなので、自分で答えを持った中で、質問するということもできるようになっています」
現役ドラフトでDeNA移籍
だが、その後は本来の力を発揮できていない。23年は30試合登板で防御率5.86と悪化。24年は18試合登板に終わり、同年オフに現役ドラフトでDeNAに移籍した。
阪神でチームメートだった同学年の選手たちは球界を代表するレベルに飛躍している。
村上頌樹はリーグトップの防御率1.84をマークし、
佐藤輝明は打率.324、34本塁打、91打点と三冠王を狙える位置につけている。同期入団の
才木浩人もリーグトップの155奪三振をマーク。首位を快走する手強いチームだが、DeNAがCSで下克上を果たすためには避けて通れない相手だ。
浜地は22年10月のインタビューで、将来の投手像についての思いを口にしていた。
「3年後ですよね。27歳ですので、野球選手としても充実してくる時期です。先発、中継ぎに関しては監督さんが決めることなので、どこをやりたいというのはないです。ただこの年齢だとチームの核として働いていたいという気持ちが強いです。それと同時に僕が千賀さんや先輩たちにあこがれたように、僕自身がそういう投手になれるようになりたいです。そのためにも3年間頑張っていきたいです」
あれから4年。紆余曲折を経てDeNAで復活した右腕はチームを勝利に導くため、マウンドに立ち続ける。
写真=BBM