週刊ベースボールONLINE

大学野球リポート

【首都大学リポート】日体大・西山チアゴが日本の大学に進学した理由

 

ブラジル代表で今年3月のWBCに出場


日体大・西山チアゴは俊足が最大の武器だ[写真=BBM]


9月5日
日体大14-0東京経済大(1勝)※7回コール
 首都大学野球リーグの2026秋季リーグが開幕した。開幕戦には春の王者・日体大が登場。今秋、21季ぶりに一部昇格を果たした東京経済大と対戦した。

 試合は日体大が東京経済大を圧倒。初回に主将の谷口翔生(4年・東海大相模高)のタイムリーで先制すると、2回表に5点、4回表には4点を挙げるなど、その後も得点を積み重ねて17安打で14得点。投手陣はドラフト候補の先発・生盛亜勇太(4年・興南高)が150キロ超のストレートを武器に4回を投げて8三振を奪うなど、5投手の継投で相手打線を2安打に抑えて完封リレー。14対0の7回コールドで大勝した。

 日体大の八番・三塁でスタメン出場し、2安打1打点と活躍したのが、今年3月のWBCでブラジル代表としてもプレーした西山チアゴ(3年・ラウニオン高)だ。日系ブラジル人の父と日系ペルー人の母の間に生まれた西山。ブラジル出身でペルーに移住した後、14歳から再びブラジルへと移り住んだが、野球は両親の影響で「4歳か5歳の頃に始めました」と話す。そして、大学入学を前に、祖父を頼って日本へやってきた。

「お世話になっていたJICA(国際協力機構)のスタッフに日体大のOBの方がいたのが縁で入学することになりました」

 入学当初は「日本の投手は変化球が多く、コントロールが良いので戸惑いました。それに、どのポジションにも選手が何人もいてライバルが多いので、頑張らないと試合に出られないと感じていました」と振り返る。それでも「バッティングは打席に立って慣れていくうちに打てるようになりましたし、守備も上手くなりました」と成長。WBCではブラジル代表に選出され、メキシコ戦では試合途中からレフトの守備についた。ただ、「ネクストにいたところで試合が終わってしまいました」と打席に立つことはできず、出場はこの1試合のみ。

 だが、アメリカ戦では現役メジャー・リーガーたちと同じグラウンドに立ち、ベンチからプレーを見つめることができた。

「自分の一番良いところは足が速いところなので、俊足のボビー・ウィット・ジュニア(ロイヤルズ)が印象に残りました。すごく良い経験ができたと思います」

14歳からスイッチヒッター


 この夏は二軍スタートだったが、秋田での二軍キャンプ後に一軍昇格。古城隆利監督は「身体能力が高くて足が速い。スイングもインパクトが強い」と評価する。そして、この日の開幕戦でリーグ戦初出場。「楽しみな気持ちしかありませんでした」と1打席目は無死一、三塁のチャンスで、いきなりライト前へタイムリーヒット。

「打ったボールは真っすぐ。セカンドへゴロを打つつもりで思い切り振ったら抜けていきました」。さらに、3打席目はセンター前ヒット。カウントは3ボールノーストライクだったが「古城監督から『打て』のサインが出ていたので、甘い球が来たら打ちにいこうと考えていました」と思い切りの良さを見せた。実は、西山はスイッチヒッターで、1、2打席目は相手の左投手に対して右打席。3打席目は右投手に代わり、左打席に立っていた。

「スイッチヒッターを始めたのは14歳の頃。元々、左利きの右打ちだったのですが、左打ちを試してみたところ『スイングがきれい』と言われたのがきっかけです。スイッチヒッターは相手チームの先発によって準備することが変わってくるのでたいへんなこともありますが、体へ向かってくる変化球が多くなって見やすいのでメリットもあると感じています」

 一方で「左打席は当てにいってしまうことがあるので、思い切りバットを振ること。右打席はまだまだ粘れないので、そこが課題です」と話しているが、この試合の第2打席では右打席ながらもファウルで粘って相手投手に11球を投げさせており、短所も克服しようとしている。

 白星スタートとなり「4年生の先輩にとって最後のシーズンになるので、チームに貢献できてうれしい。この調子でリーグ優勝したい」と笑顔を見せた西山。まだ3年生ではあるが卒業後も野球を続ける意向を持っており、次回のWBCでもブラジル代表の一員となり「今度こそは打席に立つつもり」だ。

取材・文=大平明
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング