ブルペンに不可欠な存在

リリーフ陣を支える存在だが、7月12日から一軍を離れている
1つも負けられない試合が続く。
巨人は9月5日の
広島戦(マツダ広島)で1点差を追いかける9回に
泉口友汰の左前適時打で同点に追いつくと、延長11回に
甲斐拓也の2号左越えソロで勝ち越すなど5得点の猛攻で4時間37分の激闘を制し、首位・
阪神と3.5ゲーム差に縮めた。
この試合ではプロ野球タイ記録で球団史上最多の10投手をつぎこんだが、本来なら「勝利の方程式」を担う右腕が戦列を離れている。右肘の張りで7月12日に登録抹消された
大勢だ。
ブルペンに不可欠な存在だ。サイドから150キロ中盤の直球と落差の鋭いフォークを武器に、新人の2022年に37セーブをマークするなど入団から3年間で計80セーブをマーク。24年オフに
ライデル・マルティネスの加入で持ち場が8回のセットアッパーに変わると、
阿部慎之助前監督から「去年は抑えにつなぐところが鬼門だった。チームが勝つためにこそ、お前に投げてほしい。セーブ王は獲れないかもしれないけど、ホールド(ポイント)のタイトルを獲ってくれ」と声を掛けられた。
「正直に言えば悔しさはありました。だけど一番大きいのは『このチームで勝ちたい、日本一になりたい』という気持ち」。62試合登板して8勝4敗、防御率2.11をマークし、球団新記録の54ホールドポイントで最優秀中継ぎのタイトルを獲得。「阿部監督に『獲れ』と言われて、獲れたのでよかった」と充実感を口にする一方で、「もっと、やらなあかんなと思った」とさらなる高みを目指すことを誓っていた。
今春のWBCに出場
今年開催されたWBCでは大会制覇した前回大会に続き、巨人でただ一人出場。「(前回大会決勝の)最終回のマウンドで大谷さん(
大谷翔平)が投げて、バッターが同じエンゼルスの
マイク・トラウト選手で、まるでアニメのような世界でしたからね。それを当事者の1人としてベンチから見ていて、球場の雰囲気も素晴らしくて、本当にすべてがドラマみたいな瞬間でした。きっと今回も結果的に同じような瞬間が訪れるはずですし、きっとそうなると思うので、その瞬間をもう一度味わうためにも、自分が任されたところで1個1個、しっかりと積み上げていきたいです」と特別な思いを口にしていた。
国際試合はどのような試合展開で出番が回ってくるか分からない。「まずは任された仕事、求められた仕事をしっかりとできるようにすることが第一」と語り、さらに「その上で、ファンを魅了できるような、相手を圧倒する投球をして、チームに流れを持ってくることができればいいですね。もちろん、どんな場面で投げることになるかは分からないですけど、あとになって振り返ったときに『あそこの場面をしっかり抑えてくれたから勝てたよね』とか、『意外にあの場面の投球が大きかったよね』とファンの皆さんに思ってもらえるような、そういう投球をしたいなと思います」と決意を口にしていた。
1次ラウンドの韓国戦では8対6の乱打戦で9回のマウンドに上がり、センター・
周東佑京(
ソフトバンク)のファインプレーもあったが三者凡退でチームの連勝を呼び込んだ。続く豪州戦は3点リードの9回で2本のソロを浴びたが、1点差で逃げ切った。だが、準々決勝・ベネズエラ戦で逆転負けを喫して大会連覇ならず。大勢にも登板機会が巡ってこなかった。
開幕後はセットアッパーで好投
開幕後はセットアッパーで好投を続けた。4月末にコンディション不良を訴えて登板を約1週間回避したが、5月5日の
ヤクルト戦(東京ドーム)で復帰すると、1点リードの8回を三者凡退の快投。試合後に自ら明かしたエピソードが話題を呼んだ。
「昨日、おじいちゃんから電話が掛かってきて、『最近、お前に一番足りていないのは気合や! ふ抜けている。だからコンディションを悪くしている。もっと腹を据えて投げろ』と。今日は気合だけ入れて向かっていきました」
32試合登板で1勝1敗3セーブ22ホールド、防御率2.15と登板を積み重ねていたが、7月7日の阪神戦(東京ドーム)で1回無失点に抑えたのを最後に右肘の張りで戦線離脱。現時点で実戦復帰のメドは立っていない。
責任感の強い性格であるため、チームの力になれない悔しさがあるだろう。だが、大勢の野球人生はこれからも続く。焦りは禁物だ。万全のコンディションで一軍のマウンドに戻ってくることに専念する。
写真=BBM