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救援に配置転換で覚醒 阪神を猛追する巨人に不可欠な「甲子園のスター左腕」は

 

3度目のチャンスで別人のような安定感


貴重な左腕リリーバーとして存在感を発揮している森田


 首位の阪神を1.5ゲーム差で猛追する2位・巨人。一つも落とせない試合が続く中で、頼もしい左腕がいる。救援で現在19試合連続無失点中の左腕・森田駿哉だ。

 プロ3年目の今季は開幕をファームで迎えた。5月10日に一軍昇格したが、同日の中日戦(バンテリン)に先発登板して5回途中4失点と結果を残せず、ファーム調整に。5月下旬にロングリリーフで再昇格したが2試合連続3失点で、1カ月もたたずにファーム降格を命じられた。

 与えられるチャンスはそう多くない。本人も危機感を感じていただろう。3度目のチャンスとなった7月10日の一軍昇格で、別人のような安定感を見せる。1イニングで出力を上げられることが影響しているのかもしれない。球速が3、4キロ上がり、課題だった制球も安定するように。8月22日の広島戦(東京ドーム)以降は9試合連続無四死球を記録している。

 9月9日の中日戦(東京ドーム)は同じ左腕の中川皓太がコンディションを考慮してベンチから外れた中、4点リードの7回から登板して先頭の石伊雄太、代打・福元悠真から2者連続三振を奪うなど三者凡退の好投。26試合出場で8ホールド、防御率2.88、救援での防御率は2.11に良化する。セットアッパーの大勢が右肘痛で離脱している中、田中瑛斗船迫大雅堀田賢慎、中川とともに、守護神のライデル・マルティネスにつなぐチームに不可欠なリリーバーとなっている。

3連覇時には3人の強力リリーバー


 巨人はかつて、山口鉄也(現巨人二軍投手チーフコーチ)、スコット・マシソン西村健太朗(現巨人三軍投手コーチ)と「勝利の方程式」を司る3人の強力なリリーバーがいた。2012年からのリーグ3連覇を支え、13年はマシソン、山口が最優秀中継ぎ賞、西村は最多セーブに輝いている。当時の投手コーチだった川口和久氏が、週刊ベースボールのコラムで振り返っている。

「僕は、現代野球では抑えじゃなく、7-8-9回を投げる3人のセットが重要だと思います。少し前なら阪神の『JFK』ですね。実際、抑えの西村を生かしたのはマシソンと山口だったと思います。左の山口がストレートとチェンジアップで翻ろうし、マシソンは160キロ前後の快速球をバンバン投げ込む。そして、最後は、ノミの心臓の健太朗が走者を出して、僕らをヒヤヒヤさせながらも、なんとか抑える(笑)。当時思っていたのは、7回で相手の戦意を喪失させ、8回で息の根を止めるということです。だから9回の健太朗が多少フラフラしてもよかった。フラフラしても最後はしっかり抑える男でした(笑)。マシソン、山口、健太朗が確立してからはコーチとして楽をさせてもらいました。他球団のコーチに言われたこともあります。『巨人を相手にするときは6回までに決めなきゃ勝てない』って。彼らへの最高の褒め言葉じゃないかな」

27歳でプロ入り


 抑えとして活躍した西村は広陵高でエースとして出場した3年春のセンバツで全国制覇を達成しているが、森田も世代を代表する左腕投手として高校時代に名を轟かせていた。

 富山商高で3年夏に甲子園出場すると、初戦の日大鶴ヶ丘高戦で完封勝利を飾り、2回戦の関西高戦でも9回二死まで無失点の快投。2試合連続完封は逃したが、11奪三振完投勝利でチームに夏の41年ぶり甲子園2勝をもたらしている。岡本和真(ブルージェイズ)、高橋光成(西武)、栗原陵矢(ソフトバンク)、小島和哉(ロッテ)らとともに高校日本代表に選出され、先発登板したU-18W杯の決勝・韓国戦は8回1/3無失点の快投を見せた。

 法大進学後は左肘痛に悩まされるなど順風満帆だったわけではない。社会人野球のHonda鈴鹿を経て巨人にドラフト2位で入団したときは27歳。球団史上最年長でのドラフト指名となり、高校日本代表で共闘した岡本、岸田行倫とチームメートになったが、森田は年齢を考えると1年1年が勝負になる。熾烈な優勝争いの中でマウンドに上がる重圧は大きいが、抑え続ければ信頼度がさらに高まる。逆転優勝に向け、左腕を振り続ける。

写真=BBM
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