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最優秀中継ぎ賞を狙う西武・篠原響「それしか見ていない」 19歳右腕が挑む残り13試合

 

追いつくには厳しい数字


高卒2年目ながら勝ちパターンの一角で奮闘している篠原


 西武の2年目・篠原響が9月12日の日本ハム戦(ベルーナ)で今季40試合目の中継ぎ登板。1回を打者3人、12球で2奪三振を含む三者凡退に抑え、28ホールド、2勝を含めたホールドポイントを30とした。

 試合は延長12回の末、3対3の引き分け。2位争いを展開する3位・日本ハムとの2.5ゲーム差をキープしたものの、首位・ソフトバンクとは7.5ゲーム差に開いた。9回に同点に追いつかれた直後の10回表を抑えた篠原は、この日、最速155キロのストレートとスライダーの2球種だけで3つのアウトを奪った。

 2年目で勝ちパターンの一角を担う19歳右腕が、今季狙っているのが最優秀中継ぎ投手賞だ。

「最優秀中継ぎ投手賞を獲りにいきたいです。今年は『中継ぎ』と言われた時点からこのタイトルは狙っていましたし、それしか見ていない」

 9月4日からの福岡、大阪、神戸遠征の7試合では、ホールドのシチュエーションが整わなかったこともあり、登板は2試合のみ。ホールドは1ポイントしか上乗せすることができなかった。ホールドポイントでトップを走るロッテ鈴木昭汰の34HPとの差は、これで4HP。西武の残り13試合を考えると、追いつくには厳しい数字になってきた。

 それでも篠原は、目指すタイトルについて「もちろん、やっているポジションの結果の数字でもあるので、そこしか意識していないです」と言い切る。

「(ブルペンに)電話が掛かってくれば投げる。ホールドポイントの条件の場面も限られてくるので、そういう場面で投げられればいいかなと。いつでも待っている感じですね」

 自らコントロールできるのは、登板機会が訪れたときに万全の準備をしてマウンドに上がることだけだ。中継ぎ投手のトップを目指す右腕は、残りの試合もブルペンで出番を待ち続ける。

理想とする決め球の軌道


 球宴を挟んで「リフレッシュ休暇」こそあったものの、プロ2年目で初めて一軍の戦力としてチームに帯同。40試合に登板し、シーズンを通して勝ちパターンの一角を担ってきた。ここまでのシーズンを振り返り、篠原は「ケガなくやれてるのが一番いいことだと思うので、そこが一番評価できるポイントかなと思ってます」と話す。

 その一方で、フルシーズンを戦う中で感じている課題もある。

「追い込んでから、空振りを取ることが難しくなっているのは最近感じている。球数も多いですし、そういうところでウイニングショットの重要性を感じる。今年はチェンジアップというところで始まりましたけど、それを終盤でもしっかりと空振りを取れるように投げていければなと思います」

 この日の登板では1球も使わなかったチェンジアップだが、今季40試合、38回2/3を投げて43奪三振。奪三振率10.01という高い数字を支えてきたのが、自主トレから取り組んできた新たな決め球・キックチェンジの精度だ。

 中指を立てた握りから、ストレートと同じ軌道で打者の手元まで向かい、そこからストンと落ちる。

「決め球という部分でオフシーズンから取り組んだキックチェンジというのが、今シーズン前半は奪三振率の高さにも現れましたし、ストレートの球速もそうですけど、そこが噛み合って、ここまでやれてきてるかなと思います。握りを変えた部分で変化量が変化した。昨年に比べると、より鋭く落ちるようになった」

 理想とするチェンジアップの軌道は明確だ。

「理想の軌道は、真っすぐの軌道から真下に落ちること。空振りが取れるかどうかが重要です」

 最優秀中継ぎ投手賞を狙いながら、さらなる課題としてウイニングショットの精度向上にも取り組む。タイトル争いの行方だけではない。19歳の右腕にとって残り13試合は、今季を締めくくる戦いであると同時に、来季を見据えて投手としてさらに一段上へ進むための時間にもなる。

文=伊藤順一 写真=兼村竜介
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