「未来」がかかった初の国際舞台

2002年生まれの同級生。柴崎(左)と藤澤(右)は練習時も一緒に行動することが多かった[写真=BBM]
第20回アジア競技大会(岡崎市・豊橋市)に出場する日本は、侍ジャパン社会人代表でチームを編成している。1994年の
広島大会以来、32年ぶりの日本開催で、32年ぶりの金メダルを目指す。日の丸を背負うメンバー24人は9月15日から18日まで直前合宿を神奈川県内で行い、21日の開幕に備えている。
日本はグループAでオープニングラウンドでは中国、パレスチナ、フィリピンと対戦する。グループB(台湾、韓国、香港、タイ)を含めた上位2チームが進出するスー
パーラウンド2試合の結果を受けて、最終日には3位決定戦と決勝が行われる。
大卒2年目の外野手の東京ガス・
藤澤涼介(横浜国大)と王子・
柴崎聖人(大経大)はドラフト候補だ。藤澤は攻守走3拍子がそろう右の大型外野手で、国立大学出身とクレバーさも売り。柴崎は50メートル走5秒9、遠投110メートルの強肩に加えて勝負強い打撃が持ち味である。ドラフトは10月22日。その先の「未来」がかかった初の国際舞台でもある。
お互いの結果をチェック
――初めて日の丸を背負う、今大会の意気込みをお願いします。
柴崎 ジャパンのユニフォームを着るというのは、すごく光栄なことだと思うので、プレーで日本のために、社会人野球の発展のために一生懸命やれたらなと思います。
藤澤 初めて着るジャパンのユニフォームなんですけど、日本を背負うという重みを感じながら頑張りたいなと思います。
――大卒2年目の同級生。同じ外野手ですが、ライバル心はありますか。
柴崎 普段の試合も見ていますし、結果も気になります。実際にどういうプレーをしているのか、すごく気になる選手です。
藤澤 自分も結果は気にしていますし、もちろん打ったらうれしいと思いますし、一緒に頑張りたいなと思える存在です。
――お互いの良さを、どう見ていますか。
柴崎 藤澤はどの試合でも率を残すというか、安打を重ねているのはすごいと思います。なおかつ長打力もあるのが、優れている点だと思います。
藤澤 柴崎は大会で勝負強いですし、衝撃的な1本とか、人の記憶に残るような1本を出すので、そこはすごいところだなと思います。
――柴崎選手は優勝を遂げた昨年の都市対抗で、2本塁打8打点で若獅子賞。今年の都市対抗2回戦(対三菱自動車岡崎)では決勝ソロアーチを放ち、インパクトを残しました。
柴崎 大学までは大きな舞台を経験してこなかったので、緊張というよりかは、楽しめたことが東京ドームでああいう結果につながったのかなと思います。
――今回、どういった形でチームに貢献したいと考えていますか。
藤澤 打順は分からないんですけど、チャンスで1本を出せればなと思います。自分の売りである、甘い球を確実に長打にすることを、意識していきたいと思います。
柴崎 僕の
セールスポイントとして、走攻守でレベルの高いプレーができることだと思うので、そこを日本代表でも発揮できたらいいなと思います。
目の前の試合に集中
――さて、10月22日にはドラフト会議が控えています。日本の勝利のためにプレーした上で「運命の日」に向けて、アピールしたい思いはありますか。
柴崎 ドラフトのことを考えるよりは、まずは目の前の試合に必死になって、チームが勝てるようプレーするだけ。そこをまず、ブラさずにやりたいと思います。プロ入りは目標ではありますけど、そこが一番になってしまうと、力の入り方が変わってくるので、目の前の試合に集中していきたいと思っています。
藤澤 柴崎とまったく同じ気持ちです。ドラフトもあるんですけど、目の前の試合、1プレー1プレーを頑張るだけなので、僕がやることは変わらないです。
――柴崎選手は大学4年時にプロ志望届提出も、ドラフト当日は名前が呼ばれませんでした。この2年、社会人野球を経験したのは財産ですか。
柴崎 右も左も分からない状態で入社し、質の高い野球に接することができたことに加え、社会人として学ぶことが多かったので、充実した2年目を過ごさせてもらっています。
――好きなタイプの選手、目指していきたいプレースタイルはありますか。
柴崎 小さい頃から見てきたのは
糸井嘉男さん(元
阪神ほか)です。先ほど言った走攻守でレベルの高いプレーをしていたのは、自分と重なる部分もあると思うので、そこは小さいころからの憧れではありました。
藤澤 打撃面で見たら、言い過ぎかもしれないですけど、カブス・
鈴木誠也選手は右のパワーバッターで、そういうプレーができたらなと思います。
――広島で開催された1994年以来の金メダルが期待されています。
柴崎 32年ぶりに日本で開催されるということで、社会人野球にも目が向けられるタイミングだと思うので、社会人野球の魅力をどんどん発信していけたらなと思います。
――社会人野球の魅力とは、何ですか。
藤澤 僕たちは、負けたら終わりのトーナメントで戦っているので、1球に対する重みが違います。1球1球に魂を込めることはもちろんのこと、一塁までの全力疾走、また、会社の看板を背負っている責任感。学生野球である高校、大学とは異なる環境で日々、社会人として勉強をさせてもらっています。1プレーを大事に、一つひとつ、積み重ねていきます。
取材・文=岡本朋祐