2008年には日本一を達成

9月19日のロッテ戦で2年連続となる10勝目を挙げた隅田
西武・
隅田知一郎が9月19日のロッテ戦(ZOZOマリン)に先発し、7回7安打2失点、5奪三振の好投で4対2の勝利に貢献した。これで2年連続2度目の2ケタ勝利となる10勝。自己最多タイの勝ち星を積み上げた。今年3月にはWBCに初出場。シーズン開幕前からフル回転で投げ続けてきた左腕が、長いシーズンの終盤でも先発としての役割を果たしている。
昨年初めて10勝に到達した隅田だが、個人記録へのこだわりを前面に出すことはない。「チームの勝利が一番大事」というスタンスを貫き、WBCから続く長いシーズンでも、勝ち星よりチームの勝利を優先してきた。その隅田が10勝に到達し、西武の先発陣は
平良海馬11勝、
武内夏暉11勝、隅田10勝。
高橋光成も9勝を挙げている。
4人の勝ち星を合わせると41勝。チーム74勝の55.4%にあたる。今年の西武が積み重ねてきた勝利の半分以上を、この4人が先発として担ってきたことになる。昨年まで先発ローテーションの柱だった
今井達也(現アストロズ)がチームを離れ、平良がクローザーから先発へ再転向。開幕前には、先発陣の再構築が大きなテーマの一つだった。その中先発4人がそれぞれの立場で役割を果たし、チームを支えてきた。
“2ケタ勝利投手カルテット”の誕生が目前でもあるが、西武で4人の投手が2ケタ勝利を挙げるのは2008年以来となる。同年は
岸孝之が12勝、
帆足和幸が11勝、
石井一久が11勝、
涌井秀章が10勝をマーク。4人の2ケタ勝利投手を擁した西武は、この年にリーグ優勝を果たすと、日本シリーズでも
巨人を4勝3敗で破って日本一に輝いた。球団にとって、最後に日本一を達成したシーズンでもある。
広池浩司球団本部長は就任直後の2025年1月、キャンプ前の全体会議で「しぶとく接戦をものにして、CSに進むことによって、私たちに日本一の可能性が出てくると思っています」と語っている。残り9試合。今年の西武にとって、まずは10ゲーム差未満での2位を守り、CS進出を果たすことが目標だ。2位でレギュラーシーズンを終えれば、CSファーストステージを本拠地で戦える。ここまで積み上げてきた74勝を、最後の9試合でどう生かすか。目の前の1勝が、そのままCSにつながっていく。
ソフトバンク相手にリベンジへ
そして、その先に待つのがCSでの戦いだ。今年、チームの74勝のうち41勝を挙げてきた平良、武内、隅田、高橋。この4枚をCSでどう起用し、ファーストステージを突破し、首位・
ソフトバンクとのファイナルステージに臨むのか。シーズン終盤における4人の状態は、ポストシーズンの戦い方を左右する重要な要素となる。
西武最大の強みは、リーグ屈指の先発ローテーションだ。先発陣はここまで防御率2.76。ロースコアゲームになりやすい短期決戦では、この先発陣を生かしながら接戦に持ち込み、打線が少ないチャンスを得点につなげられるかがポイントになる。
シーズンで悔しい思いを味わったソフトバンク相手にCSでのリベンジを果たすためには、強力な先発陣を軸に接戦をものにするしかない。その先にあるのは、2008年以来となる日本一だ。
“2ケタ勝利投手カルテット”の完成が目前に迫る西武。18年前と同じように、投手力を軸に頂点への道を切り開けるのか。残り9試合が、その可能性を占うことになる。
文=伊藤順一 写真=BBM