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浦田俊輔の台頭で定位置剥奪危機も…V奪回のカギ握る「巨人のキーマン」は

 

今年は三軍でキャンプイン


今季はケガに泣かされたが、最後までチームのために全力プレーを心掛ける


 手痛い敗戦となった。巨人が9月22日の広島戦(マツダ広島)で、延長11回の末に1対2でサヨナラ負け。先発の戸郷翔征が5回2安打1失点と試合をつくり、6回以降は救援陣が無失点で踏ん張っていたが、打線がつながりを欠いたのが響いた。首位の阪神が同日のヤクルト戦(神宮)でサヨナラ勝利を飾ったため、1.5ゲーム差に。苦しい状況となったが、白星を積み重ねるしかない。攻守のキーマンとして活躍が期待されるのが、故障から復帰した吉川尚輝だ。

 吉川は「チームの顔」だ。2020年に初の規定打席に到達すると、勝負強い打撃と卓越した守備能力で不可欠な存在に。昨オフに「両側関節鏡視下股関節唇形成術」の手術を受け、今年の春季キャンプはリハビリ組として三軍の都城キャンプで過ごした。

 新選手会長は「和真(岡本和真)が抜けた穴は大きいですけど、それぞれが自分の役割を理解して仕事をする。それができれば勝てると信じています。野手では泉口(泉口友汰)や中山(中山礼都)をはじめ若い選手もしっかり育ってきています。ベテランはチームを引っ張り、若手はベテランの闘志に火をつける、脅かしていくという気持ちで必死にやってほしいです。チーム全体でリーグ優勝、日本一という目標を共有してスローガンのとおり“前進”あるのみです。僕はケガで戦列を離れてしまっていますが、早く100%の状態で戻れるように頑張ります」と誓っていた。

度重なるアクシデント


 だが、度重なるアクシデントに見舞われる。開幕をファームで迎えて4月5日に実戦復帰を果たしたが、航空自衛隊千歳との三軍戦(ジャイアンツ)で、3回に二塁の守備で一塁のベースカバーに入った際に打者走者と交錯。左腕を強打して痛みに表情をゆがませて途中交代した。大事に至らなかったが、本来のコンディションになかなか上がってこない。4月26日のDeNA戦(横浜)から一軍に復帰したが、36試合出場して打率.215と低空飛行が続き、6月15日に登録抹消に。1カ月の調整期間を経て7月17日に再昇格したが、またもアクシデントに襲われる。21日の広島戦(東京ドーム)で4回に内野安打を放った直後、左太もも裏の張りで途中交代。わずか5日間でファームに逆戻りとなった。

 一軍で常時出場できない吉川と対照的に、頭角を現したのが大卒2年目の浦田俊輔だった。俊足を生かしたプレースタイルで二塁の定位置を奪取。118試合出場で打率.271、27打点で36盗塁をマークし、チームの新たな顔になっていた。熾烈な優勝争いを繰り広げる上で存在感が高まるばかりだったが、9月14日のDeNA戦(横浜)で延長10回に二塁の守備でダイビングキャッチした際に右肘を強打。途中交代し、神奈川県内の病院で「右肘靱帯損傷の」と診断を受けて無念の戦線離脱となった。

緊急事態で一軍復帰


 チームの緊急事態で、吉川が一軍に復帰する。9月2日の三軍戦で実戦復帰すると、5日の中日戦(Gタウン)からファームの試合に出場。順調に調整を進めて、18日に一軍昇格した。「二番・二塁」でスタメン出場した19日の中日戦(東京ドーム)では2安打2四球で全打席出塁の活躍。4回一死満塁の好機で、近藤廉のスライダーを中前にはじき返す2点適時打を放つとベンチは大盛り上がり。この一打が打線に火をつけてこのイニングに一挙6点を奪い勝負を決めた。

 今季44試合出場で打率.236、1本塁打、9打点。手術で出遅れ、復帰後もコンディション不良や故障に見舞われるなど試練が続いたが、この経験は必ず今後の野球人生に生きるはずだ。吉川だけでなく、山崎伊織大勢な投打の主力が離脱したにもかかわらず、チームは阪神に食らいついて首位争いを繰り広げてきた。レギュラーシーズンは残り8試合。阪神に重圧を与えるためにも、勝ち続けるしかない。

写真=BBM
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