特許庁にも登録済

株式会社ウォーターホルダー代表取締役・鶴池柾叡氏が「スキャプライザー」を考案した[写真=BBM]
世界初の投球障害予防トレーニングマシンである「スキャプライザー」が注目されている。
科学的根拠に基づくアプローチで鶴池柾叡氏(株式会社ウォーターホルダー代表取締役)が考案した。9月18日には東京都内で説明会&体験会が開催され、マシンが公開された。
「研究ベースで築き上げた、今までにないトレーニング器具です。今回の発明に関して今年の8月3日には特許庁にも登録済です。プロ野球、MLB、MiLBチームへの普及を目指し、さらにより多くの選手、チームに貢献できるよう努めてまいりたいと思っております」
鶴池氏はサンノゼ州立大(アメリカ・カリフォルニア州)で10年以上、大学院教育と研究に従事した。投球障害予防の研究と臨床において世界的権威であるトッド・エレンベッカー氏と共同研究。僧帽筋下部線維や小円筋に着目し、投球障害の予防につながるエクササイズについても研究を重ね、学術誌に多数の成果を発表してきた。
帰国後はセミナー、講演活動を行い、25年1月に株式会社ウォーターホルダーを起業。これまでの研究の成果を現場へと落とし込むことを目指した。3回の試作を経て「スキャプライザー」が完成したのである。投球メカニクスをち密に再現し、肩甲骨、肩関節のポテンシャルを最大限に引き出す器具だ。同社のモットーは「イノベーション」。まさしく、野球界における革新が始まろうとしている。「スキャプライザー」の名前の由来は、肩甲骨を英語で「Scapula(スキャピュラ)」、安定器を「stabilizer(スタビライザー)」と言う。この2つを組み合わせた造語で「SCAPULIZER(スキャプライザー)」と名づけた。
実戦的なエクササイズが可能

トレーニング中は手が自由なため、チューブ、ハンドエクササイズボール、フレックスバー、もしくは実際の公式球を握りながら補完的、実戦的なエクササイズを可能とする[写真=BBM]
最大の特徴は「肩甲骨の安定性を強化」である。投球動作の土台となる肩甲骨の周辺筋を活性化させ、投球メカニクスの効率性と安定性の基礎を構築する。そして、エクササイズは「投球メカニクスでの運動」が可能だ。実際の投球動作に即した角度(肩関節外転90°)でトレーニングができる。投球動作で重要になる僧帽筋下部線維や小円筋の強化につながる。
レール部の傾斜は0°から20°まで5°刻みで設定でき、水平方向に動かす際は負荷をかけられる(1〜6kg)。「世界初」と言われるのは「フリーハンド仕様」であること。手を握らずにエクササイズできるというのは画期的である。トレーニング中は手が自由なため、チューブ、ハンドエクササイズボール、フレックスバー、もしくは実際の公式球を握りながら補完的、実戦的なエクササイズを可能にする。
鶴池氏によれば、昨今の野球の現場では、ルーティンワークが課題だという。実際の投球に入るまでのウォーミングアップは、一般的にフルメニューを消化すると約40分を要する。専門のトレーナーが帯同していても選手個々の知識、経験、情報に頼らざるを得ない状況。実際の故障予防につながっているのかは不明確だ。ここで「スキャプライザー」を活用すれば、短時間で効率的なルーティンワークが実践できる。15回を2セットで十分、体は温まり、後ろ向きに壁にボールをぶつける「リバースロー」をやれば、短時間で投球練習に入れるという。
鶴池氏は言う。「究極のルーティンワークです。ルーティンで故障を予防できる。少しでも良いコンディションで試合に臨んでいただきたい。その手助けができればと思っています」。
投球障害予防トレーニングマシンとして、新たな世界観を生み出す「スキャプライザー」が現場で重宝されるのも決して遠くはないはずだ。