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FA権取得で今オフの去就に注目 他球団の評価高い「中日の天才打者」は

 

鮮やかに復活した2025年


今季はケガに苦しむも、力強いバッティングは評価が高い上林


 来季への戦いは始まっている。中日がドジャースを9月にDFA(メジャー40人枠から外す措置)となっていたライアン・ウォードを獲得することが、メディアで一斉に報じられた。

 昨年は3Aで36本塁打、122打点の2冠でリーグMVPに輝くなど、マイナー通算168本塁打をマークしている左の強打者で、今季初のメジャー昇格を果たし、20試合で打率.218、3本塁打、12打点だった。ミゲル・サノーが来季の残留を決めており、2人の助っ人が打線の中軸で活躍することが期待される。球団創設90年の節目となった今季は6年連続Bクラスに沈み、チーム全体で来季に向けて期する思いは強い。その中で、オフの去就が気になる選手がいる。昨年に新天地で復活を遂げた上林誠知だ。

 ソフトバンクで2018年に全143試合出場して打率.270、22本塁打、62打点、13盗塁をマーク。当時23歳の若さで「打撃技術は天才的なものがある」とチームメートに一目置かれていた逸材だったが、その後は度重なる故障で思うような活躍ができずに存在感が薄れていった。22年5月に右アキレス腱断裂の大ケガを負い、23年限りで戦力構想から外れる形で退団。移籍1年目の24年は46試合出場で打率.191、1本塁打、3打点と不本意な結果に終わったが、昨年に鮮やかに復活した。

 開幕前のオープン戦から15試合で3本塁打を放ってアピールすると、シーズン序盤は主に左翼で出場。細川成也が右ハムストリングスのコンディション不良で離脱すると、右翼のレギュラーに定着した。5月16日の巨人戦(東京ドーム)で、ソフトバンク時代の19年7月8日の西武戦(東京ドーム)以来となる1試合2本塁打を放つなど打球に力強さを取り戻すと、俊足でもチームに貢献した。リーグ2位の27盗塁で盗塁成功率84.4%を記録。134試合出場で打率.270、17本塁打、52打点と低迷するチームの中で大きな光となった。

キャンプで野球に没頭


 充実したシーズンを送ったが、まだまだレベルアップできる。さらなる飛躍を誓っていた。

「今年はキャンプにゴルフバッグを送りませんでした。結果として、一度もゴルフをしませんでした。これまでもゴルフバッグを送らない年はあったんですが、レンタルクラブでやっていました。ゴルフが嫌いになったわけではありません。キャンプ中の休み、朝起きると『体、きつくなってるな』とか思うものです。疲れた体で朝早く起きてゴルフへ行く選手はすごいな、とも思います。最後の休みとなった2月18日は、キャンプ地のある沖縄・北谷町内でトークイベントに出席しました。こうして直接、ファンの方と接すると、期待の大きさを感じるものです。球団創設90周年、しっかり準備していいシーズンにしたいです」

9月中旬に国内FA権取得


 だが、開幕直前にアクシデントに見舞われた。3月17日のオープン戦・ソフトバンク戦(みずほPayPay)で一塁へ走った際に右脚を負傷。右膝付近の靱帯の部分断裂で戦列を離脱し、チームにとっても大きな痛手となった。早期復帰への気持ちは強かったが、右アキレス腱断裂という大ケガを負った経験があり無理はできない。

 一軍の舞台に復帰したのは、「三番・中堅」でスタメン出場した8月13日のDeNA戦(バンテリン)だった。今季初打席となった初回に右中間へ初アーチを放つと、スタンドから大歓声と拍手が。ナインに笑顔で迎えられると、ホッとした表情を浮かべた。

「ここに戻ってくるためにやってきました。うれしかったです。リハビリ中は練習から帰ってきてもずっと家にいることが多かった。ソファにいるか、寝室のプロジェクターで何かを見ていましたね。(一軍に)戻ったら当然結果を出すと思われている。ケガ明けはうまくいくものではないですけど、他人とのギャップを自分の中で埋めていかないと。(故障箇所も)いろんな神経を巡らせて自由に動いてくれるようになれば、考えている動きがイメージどおりに表現できるようになる。今はもう与えられた場所で働くしかない。このチームには上林が必要だったと思われるような存在でありたいです」

 その後は常時スタメン出場という立ち位置ではない。25試合出場で打率.230、2本塁打、4打点。故障明けでコンディション調整が難しい部分があるだろう。上林は9月13日に国内FA権の資格取得条件を満たした。他球団の評価が高い選手だが、オフにどのような決断を下すか。31歳はまだまだ老け込む年齢ではない。完全復活へ、まだ道半ばだ。

写真=BBM
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