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中継ぎで磨いた「欲しいときの三振」西武・篠原響、勝ちパターンで得た武器を来季先発のマウンドへ

 

CSで果たすべき役割


高卒2年目ながら勝ちパターンの一角で奮闘している篠原


 西武・篠原響が、充実のプロ2年目を送っている。

 9月27日の楽天戦(ベルーナ)では、3対2とリードした8回に六番手として登板。相手クリーンアップをわずか12球で三者凡退に抑え、チームの勝利に貢献した。これで今季は44試合に登板して2勝3敗1セーブ、30ホールド、防御率2.32。勝ちパターンの一角として、守護神・甲斐野央の54試合に次ぐチーム2位の登板数を記録し、ブルペンを支えている。

 ただ、すべてが順風満帆だったわけではない。9月22日のソフトバンク戦(みずほPayPay)では、2対2の同点で迎えた7回に登板。二死から柳田悠岐に決勝3ランを浴び、今季3敗目を喫した。

「チェンジアップを続けて、その2球目を打たれました。選択が間違っていたかは分からないですけど、投げたコースも少し内寄りに入ってしまった。狙って完璧に投げたコースではなかったですけど、結果なので、しょうがないですね」

 一流打者は、わずかな隙も見逃してくれない。今季2被弾目は、篠原にあらためて勝負の厳しさを突きつけた。

「2アウトからの失点だったので、しっかり最後のバッターを打ち取らないといけないですし、先頭バッターも大事だと思うので、3つ三振を取るだけ。それを継続するだけかなと思います」

 悔しさをにじませながらも、言葉は冷静だった。篠原は、残りのシーズンとクライマックスシリーズ(CS)で果たすべき役割を明確に捉えている。

「CSも通して中継ぎだと思うので、任された1イニングで3つの三振を取って帰ってくる。その三振をどうやって取るか、を考えていきたい」

三振にこだわる理由


 現在のポジションで三振にこだわるのには理由がある。来季でプロ3年目を迎える右腕は、先発転向を見据えている。勝ち試合の終盤に任される1イニングは、先発として試合の重要な局面、特に走者を背負ったピンチをどう切り抜けるかを想定する場でもある。

「欲しいときに、どう三振を奪うか」

 その答えを模索しながら、篠原は中継ぎとしての1年を過ごしてきた。

「今年が始まるときは『先発で』と思って準備していました。(先発として)どういう成績をと(キャンプ前までは)考えていた。(西口文也監督から指名を受け)中継ぎになったときに、こうしようというものはなかったので、とりあえず目の前の打者を抑えるだけ。目標として『最優秀中継ぎ投手賞』という、ざっくりとしたタイトルを挙げました。細かい成績は、たぶん自分が思っていたよりは上だと思います」

 成功も失敗も経験しながら、9月20日に20歳の誕生日を迎えた右腕は、勝ちパターンの一角として存在感を高めた。

 2025年ドラフト5位で入団した篠原は、1年目の昨季、9月7日のロッテ戦(ベルーナ)でプロ初登板、初先発を果たした。4回2/3を4失点で敗戦投手となると、同26日の日本ハム戦(ベルーナ)にも先発し、3回1/3を4失点。一軍では2試合の登板にとどまり、0勝1敗、防御率10.29だった。

 一方、二軍では16試合に登板し、チームトップタイの8勝、防御率2.20を記録。イースタン・リーグの優秀選手賞を受賞した。

2年目は「順調だと思います」


 その経験を土台に、大きく飛躍した2年目。篠原は今季をこう振り返る。

「いやもう順調だと思います。このように使ってもらえるのは、すごいありがたいですし、この経験はいただいたチャンスでもあるので、生かしながら今後やっていきたい」

 入団時に掲げた目標にも、着実に近づいている。

「入団したときに、1年目は『二軍のローテーション』で、2年目は『一軍に長く帯同する』という目標を掲げていました。1年目は二軍のローテーションで回れましたし、2年目も今の形で一軍に長く帯同できているので、結果的には自分の掲げた目標どおりには来ている。内容も思っていたより上だと思います」

 10月にはCSという未知の舞台も待っている。勝ち試合の終盤を任される経験は、来季の先発転向を見据える篠原にとって、大きな財産になるはずだ。

 プロ入り後、着実に歩みを進めてきた20歳は、3年目の目標についても明確に語った。

「先発で2年目は長く一軍帯同して、3年目にタイトルを狙うぐらいだと思っていたので。まあ、道は変わりましたけど、3年目はタイトルを目指してやるだけです」

 その先に見据えるのは、先発ローテーションの一員として1年間チームを支える姿だ。

「最優秀防御率を狙って、それを獲れたらいいと思います」

 中継ぎとして過ごした2年目、篠原は勝負どころで三振を奪う術を磨いてきた。柳田に浴びた一発の悔しさも、終盤のマウンドで積み重ねた成功も、すべてが次のステージにつながっていく。中継ぎで培った経験を先発のマウンドでどう生かすのか。20歳の右腕は、プロ3年目の目標を胸に、残りのシーズン、そしてCSでさらなる経験を積んでいく。

文=伊藤順一 写真=BBM
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