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今季1勝のみも「投げる球はエース級」 去就注目される「阪神の左腕」は

 

シーズン開幕後に続いた試練


今季はわずか6試合の登板にとどまっている助っ人左腕


 助っ人外国人投手の活躍はチームの命運を大きく左右する。その中で今年から阪神に新加入したイーストン・ルーカスは6試合登板で1勝2敗、防御率4.21。期待に応えているとは言えない成績だが、大きな可能性を抱かせる左腕だ。

 2月の春季キャンプでは、他球団のスコアラーが「先発で即戦力になる」、「投げる球はエース級」と警戒を強めていた。191センチの長身から投げ込まれる直球はうなりを上げ、スイーパー、カットボールの質も高い。来日初登板の舞台となった3月3日の侍ジャパンとの強化試合(京セラドーム)で1回無失点。牧秀悟(DeNA)を空振り三振、源田壮亮(西武)を左飛、中村悠平(ヤクルト)を右飛で三者凡退と危なげない投球内容だった。同月10日の西武戦(甲子園)では3回2安打無失点。最速156キロを計測し、順調な調整ぶりをアピールしていた。

 だが、シーズン開幕後は試練が続く。先発ローテーションに入ったが、3試合の先発登板で来日初勝利をつかめず、4月17日に登録抹消。ファームでの登板を経て別メニュー調整は続き、5月10日に「腰部疲労骨折」が発表された。藤川球児監督は「本人が一番ショックだと思います。でも終盤に戻ってきたい、合わせたいと言っているので待ってあげようと思います」と復帰の時を期待していた。

8月下旬に来日初勝利


 4カ月の期間を経て、一軍再昇格した8月21日のDeNA戦(横浜)で5回5安打1失点の粘投で来日初勝利をマーク。試合後に浮かべたホッとした表情が印象的だった。

 しかし、その後の2試合の登板ではシーズン終盤の負けられない試合が続くこともあり、早いイニングで降板している。9月21日のDeNA戦(甲子園)では、2回まで1安打無失点と上々の立ち上がりだったが、1点リードの3回に先頭の成瀬脩人に振り逃げで出塁を許すと犠打などで二死一、二塁とピンチを招き、筒香嘉智に同点の右翼線適時打を浴びたところでマウンドを降りた。悔しい思いは当然あったはずだが、降板後もベンチの最前列に立ち、救援陣を迎えている姿が印象的だった。

球史に名を刻んだ助っ人投手


阪神で10年間プレーしたメッセンジャー


 持っている能力は間違いなく高い。制球力を磨き、緩急をつける遅い変化球を覚えて投球の幅を広げれば大化けする可能性がある。球史に名を刻んだ助っ人投手たちも、全員が最初から順風満帆だったわけではない。外国人投手で球団史上最長の10年間在籍したランディ・メッセンジャーは来日1年目のシーズン当初に中継ぎでスタートし、その後は先発に回って26試合登板で5勝6敗1ホールド、防御率4.93。翌年の契約は不透明だったが、1年の再契約を結んだ球団の判断が正解だった。先発専任となった11年以降は4年連続7度の2ケタ勝利をマークしてエースとして活躍。13、14年は最多奪三振、14年は最多勝のタイトルを獲得した。

 メッセンジャーは日本で長い期間活躍できた秘訣について、週刊ベースボールのコラムで以下のように語っている。

「『do not get Comfortable』だね。『成功したからといって偉ぶらないこと』という解釈をしてほしい。特に若い選手たちには言えることだけど『調子に乗らない』というか、常に自分が成功者だと思わないことだと思うよ。それは外国で生活していようが、そうでなかろうが一緒だと思う。もし、そういう気持ちが少しでもあればすぐに次の選手に自分のポジジョンを奪われることになると思うからね。あとは『keep open-mind』と『Learn something』の気持ちも必要だと思っている。常に『keep open-mind』でいることができれば、いろいろなことを、いろいろな人から学ぶことができるし、それが自分の成長につながると思っている」

 ルーカスは推定年俸が120万ドル(約1億8600万円)と決して安くはない。再契約となればダウンの提示条件になる可能性が高いが、球団はどのような判断を下すか。残りのレギュラーシーズンやCSで見せるパフォーマンスが来季の去就に影響する可能性がある。今は与えられたチャンスで、ベストを尽くす。

写真=BBM
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