上を目指して戦う

東経大は副将・岡田がチームをけん引している[写真=BBM]
10月3日
帝京大2-1東京経済大(帝京大1勝)延長10回
首都大学野球秋季リーグ戦・第5週1日目。今秋、21季ぶりに一部昇格を果たした東京経済大。だが、天候不順もあり、ここまで4試合しか消化していないとはいえ、開幕からいまだに白星なしと厳しい状況となっている(2カードが1回戦を終えて未消化)。この日は同じく開幕から連敗が続いている帝京大と今季初勝利を目指した戦いとなった。
この試合で1安打1盗塁の結果を残したのが岡田諒汰郎(4年・岡山学芸館高)だ。1対1の同点で迎えた8回裏にはセンター前へクリーンヒットを放った。
「1、2打席目は三振だったので、よくバッティングの話をしている後輩の川上智史(3年・岩倉高)にベンチでタイミングについて聞いてみたのですが『ポイントが近いから、もう少し前にしてみたら』とアドバイスをしてもらいました。それで真っすぐに張って、初球からスイングをしていったところヒットが打てました」。
今秋はここまで、成績が低迷して苦しんでいた。
「一部に上がって相手投手の真っすぐの質が上がってくると思っていたので、この夏は速いボールをしっかりと打ち返す練習をしてきました。オープン戦では結果を残していたのですが、リーグ戦ではなかなか良い当たりが出ず、ずっともがいてきたので一本打てて良かったです」
二死からは盗塁に成功。打席に入っていた山下海龍(1年・東亜学園高)の中前打で本塁を狙ったがタッチアウトになった。
「足が速いほうではないのですが、盗塁はサイン通りに動いただけ。本塁を狙ったところは、送球が逸れたら1点入りますから行くしかなかったです」
守備では初回にライン寄りの打球を足からスライディングしてキャッチ。「守備には自信があります。投手と打者の様子を見ながら一球ごとにポジションを修正するのですが、今日の先発の高橋琉士(4年・桐光学園高)の調子なら右打者は右中間に打てないだろうと感じてライン寄りに守っていたのが当たりました」。試合は1対1の同点のまま延長タイブレークへ突入し、10回表に1点を挙げた帝京大が逃げ切り。東経大は1対2で惜敗した。
「試合後のミーティングで主将の岸本が『自分たちは1勝を目指しているわけじゃない』ともっと上を見て戦うことを促し、『2回戦は今日の悔しさを最初からぶつけてやり返そう』と声を掛けてきました。自分たちはまだ5試合しかやっておらず、勝ち点は1つしか落としていないので、まだ勝ち点4を挙げられる可能性がある。可能性がある限りはその望みを捨てるべきじゃないと思っています」
持ち味は「勢いのチーム」
今秋の開幕戦は日体大に0対14で大敗。「14点差で完敗した時はやばいと思ったのですが、次戦は5点差。その後は1点差の負けが続いて、ここ2試合はタイブレーク。失点もだんだん減ってきているので、開幕した頃に比べたら『一部でも戦える』という気持ちになっています」。ただ、まだ白星がないため「正直、チームの雰囲気は下がっているところがあると感じています。でも、まだ落ち切ってはいない。『オレたちはまだまだやれる』と思っています」。初勝利のために必要なことは分かっている。
「自分たちは守りが売りのチーム。守りで一部に上がってきましたが、今日の試合ではミスが出て負けてしまいました。また、タイブレークでは相手チームにバントを決められ、自分たちは決められなかった。そういったミスを減らして、僅差のゲームをモノにしていきたいです」
岡田は副将を務めており「岸本はキャッチャーなのでブルペンに入ってグラウンドから離れることもあります。だから、岸本の目が届かないところでは自分が声を掛けるように意識していて、試合中も『絶対に下を向くな』とか、『あきらめるな、ここから行くぞ』というように気持ちを奮い立たせるような声を出しています」とチームを引っ張っている。
そして、こう続ける。「自分たちは良くも悪くも『勢いのチーム』。勢いに乗れば連勝もあるので、初戦で負けたチームにも3戦目に持ち込んで勝ち切りたい」と話す。個人としては「良い場面でヒットを打って、打点を挙げていきたい。一部の投手は甘い球が少なく、一打席に一球くらい。その一球を逃さないように、積極的に振っていくしかないと思っています」。
卒業後は一般企業に就職が決まっており、今秋が競技者としてのラストシーズンとなるが「これまでと変わったところは特にありません。チームのために走って、打って、声を張って。いつも通りにやっていきたいです」と話す。チームは最下位だが上位進出どころか、優勝もまだあきらめていない。
取材・文=大平明