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素材は一級品も…DeNA戦力外で去就注目される「最速165キロ右腕」は

 

昨季途中にDeNA入団


DeNA2年目の今季も本領発揮とならなかった藤浪


 プロは結果がすべての世界だ。DeNAが藤浪晋太郎に来季の戦力構想から外れ、契約を結ばない旨を通告したことを9月29日に発表した。

 米国でプレーしていた昨年のシーズン途中、DeNAに電撃入団が決まって話題に。6試合登板で1勝0敗、防御率4.09の成績を残した。最後の2試合は救援に回って計1回1/3を3失点と防御率が悪化したため、「少しバタバタした面があって、自分としては悔しいシーズンになりました」と振り返ったが、先発では4試合登板で防御率3.05。「ちゃんと投げれば、それなりに試合はつくれるかなと感じた。それを毎試合毎試合、コンスタントにできるように」と手ごたえをつかんだ。古巣の阪神はリーグ優勝を飾り、13ゲームの大差をつけられたが、「見ていて優勝できないとか、これだけゲーム差が開くようなチームじゃない。ちょっとした勢いとか、流れだと思う」と思いを口にした。

 オフシーズンは精力的にブルペンで投げ込み、球団施設で動作解析を実施。投球時の重心移動を見直すことでパフォーマンスの向上に努めた。「世界でも指折りじゃないかと思う。プラスにしていきたい」と最新鋭の設備がそろう環境への感謝を口にし、「イニング数をしっかり重ねていければ。180イニングぐらいを目標にして。それぐらい投げられれば、かなりいい数字もついてくるんじゃないかなと思います」真価が問われる今季の目標を掲げていた。

復調の兆しが見えずに


 だが、突きつけられた現実は厳しかった。オープン戦で8回2/3を投げて7四死球と制球が安定せず、開幕一軍の先発ローテーションを勝ち取れなかった。さらに、4月の投球中に右中指の皮膚が裂けるアクシデントで実戦から1カ月遠のくことに。ファームで実戦復帰後は課題の制球がまとまっていたように感じたが、一軍の戦力になれなかった。

 今季初登板初先発となった7月11日の巨人戦(横浜)で3回3失点KO。初回に先頭打者から3連続四球を招いて2点を失うと、その後も復調の兆しが見えずに6四球で94球を費やして降板。ストライクを取ることに精いっぱいだった。その後の登板でも制球が定まらず、3試合登板で計10イニング投げて15四死球。0勝1敗、防御率6.30とふるわず、今季限りでの退団が決まった。

素材は一級品なのは確か


 一級品の素材であることは疑う余地がない。阪神にドラフト1位で入団すると高卒1年目から3年連続2ケタ勝利をマーク。同学年の大谷翔平(ドジャース)より先にプロの世界で強烈な光を放った。だが、その後は制球難を解消できずファームで過ごす時期が長くなる。環境を変える意味合いもあり、2022年オフにポスティングシステムで小さなころからあこがれていたメジャー挑戦を決断した。阪神の岡田彰布前監督は週刊ベースボールのコラムで、藤浪の復活に期待を込めていた。

「今回の彼のメジャー行きは、実に珍しいケースといえる。メジャーを目指すほとんどの選手は、力のピークのときにメジャーを意識するけど、藤浪は数年間の低迷期の中での挑戦。こんな例はいままでにはないことよ。ということは、さほど期待できない? いや違う。逆の結果が出る可能性は十分にある、とオレは見込んでいる。環境を大きく変え、伸び伸びと向き合えば、あの剛腕は戻ってくる。まだ28歳。日本では尻すぼみだったけど、アメリカで復活する。その可能性は十分過ぎるほどある、とオレは見ている」

「細かいことを考えなくていい。コントロールは大事だけど、それ以上に重要なのは、藤浪の持つ能力をぶつけること。過去を振り払い、入団したころのような伸びやかなピッチングができれば……。阪神から海を渡り、そこで大きく羽ばたく姿を見てみたい。ホンマ、エールを送るよ」

 メジャー挑戦した23年にアスレチックス、オリオールズで計64試合登板。アスレチックスで日本人最速の165キロを計測した時は、首脳陣に「あんな凄い球を投げられる投手はなかなかいない。ストライクゾーンに投げられれば打たれない」と絶賛されたが、良い球を投げる再現性が続かない。24年以降はメジャーの舞台で登板が叶わなかった。

 藤浪は今後について、NPBでの現役続行を希望しているという。同学年の選手たちを見ると、大谷、鈴木誠也(カブス)はメジャーを代表する選手として活躍し、阪神でチームメートだった近本光司、大山悠輔も不可欠な存在になっている。高校時代から世代のトップランカーだった藤浪はもう一度はい上がれるか。

写真=BBM
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