短期決戦で変わる駆け引き

支配下復帰を果たした今季、CSでの登板に意欲を燃やす森脇
復活を果たした
西武のリリーフ右腕・
森脇亮介が、クライマックスシリーズ(CS)初登板に腕をぶしている。「右上腕動脈閉塞症」を乗り越え、7月3日の
オリックス戦(ほっと神戸)で約3年ぶりに一軍マウンドへ戻ってきた34歳右腕。今季は24試合に登板し、2勝2敗、8ホールド、防御率2.91と復活を果たした。長いリハビリを経て戦列に戻り、チームのCS進出にも貢献してきた。
プロ8年目の森脇にとって、今回のCSは2022年以来、2度目の出場となる。ただ、前回は登板機会がなかった。
「22年も(メンバーに)入っていたんですけど、投げる間もなく2試合で終わっちゃったんで」
だからこそ、今回はあのマウンドに立ちたいという思いが強い。登板こそなかったものの、22年にはブルペンから短期決戦の独特な雰囲気を経験している。
「まあブルペンにはいましたので、経験できたことで、変に高ぶることもなく(CSに)入れるんじゃないかなと思う」
ファーストステージの相手は、レギュラーシーズンで何度も対戦してきた
日本ハム。ただ、短期決戦になれば、同じ相手でも配球や駆け引きは変わってくると森脇は考えている。
「もちろんあると思います。やっぱり、それこそ第1戦と第2戦でもまた違ってくると思いますし、第3戦まで行ったらまた変わってくると思います」
中継ぎとしてマウンドに上がる際は、自分の投球を軸にしながら、相手打者のデータや傾向も照らし合わせていく。
「特に中継ぎなので、自分のピッチングをする中で、相手の弱点も突きながらっていう。まあそういう自分のデータと相手のデータを照らし合わせながらの作業にはなると思います。映像を見ながら、こういう球で打ち取っているから、同じ球で行くのか。また違う球でいくのか」
その駆け引きを、森脇は「じゃんけん」にたとえる。
「この表現が正しいか分からないですけど、じゃんけんみたいな。グーで勝ったから、次もグーを出すのか、その裏をかくのか。そんな読み合いというか、まあその中で、こっちも失投がありながら、向こうも打ち損じがありながら。逆に決まったと思ってもヒット打たれたり、向こうがガチッと捉えても野手の正面だったりとか。本当それが面白いものではあると思うんですよね」
警戒する打者はレイエス
そんな中で、最も警戒する打者の一人が、一発のある
レイエスだ。
「場面によってすごく考えているなっていうのは、対戦していてもそうですし、映像を見ていても分かる。めちゃくちゃ追い込まれていて、こっち(右方向)に打ったりとか。それまでは逆に、真っすぐにガーンと振って空振りしたとしても、次の真っすぐにはしっかり合わせてくるとか。配球やケースも考えながら、すごく頭のいい選手なんだなとは思いますね」
打者との読み合いが繰り広げられるCSの舞台。そのマウンドに、森脇が立つ。
右上腕動脈閉塞症を発症し、長いリハビリ生活を送った。いつ再び一軍のマウンドに立てるのか分からない時間を乗り越え、ようやく戻ってきた先に待っていたのが、3年間の心の支えとしてきたCSの舞台だった。
「やっぱりここでやるためにこの2年、3年はやってきたので。楽しみたいなというか、喜びというのはすごくあります。リハビリをしながら、必ず一軍で投げるんだっていうイメージは、やっぱりこういう緊迫した試合をイメージしながらやっていたので、そういう面ではやっぱり頑張ってきてよかったなと思います」
約3年ぶりに帰ってきた一軍のマウンド。その先に待っていたのは、22年には投げることのできなかったCSの舞台だった。復活を果たした34歳右腕が、今度こそ短期決戦のマウンドに立つ。
文=伊藤順一 写真=BBM