延長タイブレークで惜敗

東京経済大は開幕7連敗と厳しい戦いが続くが、新戦力である井手尾が活気をもたらせている[写真=BBM]
10月11日
日体大2x-1東京経済大(日体大2勝)延長10回
首都大学秋季リーグ戦・第6週2日目。21季ぶりに一部に昇格した東京経済大は、開幕から6試合では白星を挙げられていない。この日は雨天中止のために未消化となっていた日体大2回戦が行われ、試合は投手戦となった。
東京経済大はエースの左腕・高橋琉士(4年・桐光学園高)、日体大は
生盛亜勇太(4年・興南高)から西平晴人(4年・近大付高)へつなぐドラフト候補同士のリレーで1対1の同点のまま延長タイブレークに突入。すると、10回表は一死一、三塁としながらも無得点に終わった東京経済大に対し、日体大はこの回先頭の才田和空(2年・東海大相模高)がバスター。打球はバントシフトを敷いた内野陣の間を抜いていくライトへのヒットとなり二塁走者が生還。東京経済大は1対2のサヨナラで、勝ち点を落とした。
最大の売りは遊撃守備
惜敗した中でも光明はあった。両校ともに無得点で、均衡を破る先制タイムリーを放ったのが井手尾哲兵(1年・藤枝明誠高)である。前週の帝京大1回戦で試合途中から三塁の守備に入り、リーグ戦初出場を果たした。この試合では九番・遊撃で初先発に起用された。
「最初は緊張していたのですが、初回に飛んできたゴロをさばけたので落ち着くことができました」
3回裏には6-4-3の併殺を成立させ、9回裏には内野安打となったものの三遊間の深い位置までボールを追いかけ、守備範囲の広いところを見せた。
「守備には一番自信があります。大事にしているのは一歩目のスタート。ショートは華があるポジションですから守っていて楽しいです」
打席でも結果を出した。5回表一死二、三塁から二塁手の右をライナーで抜いていくヒット。生盛から放った自身のリーグ初安打が初タイムリーとなった。
「内野手が前進していたので『頭上か間を抜ければ』と思っていました。真ん中寄りに甘く入ってきたストレートかカットボールだったのですが、ボールに食らいついて気持ちで打ちました」
上級生と下級生の融合
藤枝明誠高から今春、東京経済大に進学した。
「関東の大学で野球を続けたいと考えていたのですが、練習を見学させてもらい『このチームなら高いレベルで野球ができる』と感じました。グラウンドや設備なども整っていて、良い環境でプレーできているので、これから成長していきたいです」
大学に入って、最初に感じたのはスピードの違いだ。
「高校の頃に比べて、投手が投げるボールのスピードはもちろん、打者の打球の速さや足の速さのレベルが一つ上がったように感じました」
特にバッティング面では苦労した。
「一部リーグの投手の球速は常時140キロを超えますし、150キロを投げる選手もいます。その速いボールに対応するには目を慣れさせることが大事なのでマシンで速いボールを打ったり、150キロをイメージしながら素振りをしたりしてきました」
打撃フォームも修正。「打席では一つひとつの動作を素早くすることでトップをすぐにつくり、早めに打てる準備をしています。スイングはコンパクトにして、インパクトまで最短距離でバットが出るように心掛けています」。こうして「夏のオープン戦から徐々に対応できるようになってきました」と感覚をつかんでいった。飯田孝雄監督は「守備では足さばきが良く、フットワークが軽いのでしっかり守れる。バッティングではしぶとさがあります。この春、チームを一部に上げてくれた上級生と、井手尾のような若い1年生の選手が融合して上手くかみ合ってくれれば」と期待をかけている。
この日の敗戦でチームは7連敗となったが「まだ勝ち星がないので、まずは1勝。1つ勝てればチームも変わってくると思います」と井手尾。そして、「今日はタイムリーが打ててうれしかったのですが結果に満足することなく、次の試合でも結果が出せるように良い準備をしていきたいです」と続けた。ルーキーの頑張りは、チームの起爆剤となるに違いない。
取材・文=大平明