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西武・渡部聖弥は「腹をくくれていない」…指揮官が指摘した勝負どころでの課題 CS初安打を反撃のきっかけにできるか

 

勝負どころで結果が出ず


CSの2試合で本来の調子が出ていない渡部


「2026 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第2戦が10月11日、ベルーナドームで行われ、西武は日本ハムに0対1で惜敗。対戦成績は1勝1敗となり、ファイナルステージ進出を懸けた決着は12日の第3戦にもつれ込んだ。

 中5日で先発した高橋光成は、7回127球、5安打1失点の熱投を見せた。しかし、この好投に打線の援護はなかった。試合が動いたのは5回。二死二塁、カウント1-2から高橋が野村佑希に投じた渾身の外角158キロに球審・本田の右手は上がらず。これで気落ちしたのか、甘く入ったスイーパーを左中間二塁打とされ、これが結果的に決勝点となった。

 一方の西武打線は、日本ハムの先発・達孝太ら4投手の前に散発5安打と沈黙。高橋の力投に応えることができなかった。西口文也監督は「なかなかね、シーズンと同じで打てなかったなというところです」と打線の不振を振り返った。

 反撃のチャンスがなかったわけではない。先制された直後の5回、西武は達から石井一成の右前打と長谷川信哉の死球で無死一、二塁の好機をつくった。しかし、ここで渡部聖弥が見逃し三振。続く滝澤夏央、西川愛也も凡退し同点、逆転機を逃した。西口監督は「昨日の今日というところで、聖弥がまた違う姿をしっかり打席で見せてくれるかなと思ったので(打たせた)。ちょっと思い切り良くいけてないというか、腹をくくれていないようには見えます」と今シリーズでブレーキとなっている渡部に言及した。

 第1戦でも、同点の8回一死一、三塁の好機で併殺打に倒れた渡部。勝負どころで結果を残せず、チーム2位の129試合に出場した2年目の主砲候補が、ポストシーズンで苦しんでいる。渡部自身も、今シリーズで本来の打撃状態にないことを認めている。

「ボール球を振ってしまって、チャンスで思い切りいけず、最悪の結果になるのはシーズン中でもあること。CSだからではなく、日頃の打席の迎え方であったり、そういうところがこういう大事な場面で出てしまっているというのはありますね」

 試合前には、達への対策として「シーズン中は低めのボール球を振らされていたんですけど、そこをどれだけ我慢できるか。低めのボールの見極めができるか」と話していた。しかし、5回の打席ではそのアウトローの149キロ速球を見逃し、絶好の同点機を生かすことはできなかった。

最終戦へ一筋の光明


 CS初出場の渡部にとって、この舞台は結果だけでは測れない経験を得られる場でもある。

「こういう舞台でやらせてもらえるのは最高です。去年はキャンプに向けた秋季練習をしていた時期に真剣勝負ができる。緊張感のある中で試合をすることで、来年につながる成長は必ずあると思います。その中でどれだけできるか。エラーをしてしまったとしても守備で前に出られたとか、ファウルになったとしてもしっかり振っていけたとか。緊張感の中でそういうアクションがしっかり起こせたら、それが経験になってくると思う」

 そう語っていた渡部は、0対1で迎えた9回の第4打席で、相手四番手の柳川大晟から左前打を放ち、これがCS初安打。苦しい打席が続く中でも一筋の光明を見出し、最終第3戦へと望みをつないだ。

 泣いても笑っても、ファーストステージは残り1試合。勝てばファイナルステージ進出、負ければ今季の戦いが終わる。第3戦の先発を託される武内夏暉に、西口監督はこう期待を寄せた。

「負けたら終わりなんで、武内もそれは分かっていると思う。交流戦の優勝のときも(先発は)武内だったので、しっかり投げてくれると思います。選手の力を信じてやっていきたい」

 勝つためには打線の奮起が欠かせない。渡部がこの2戦で味わった悔しさを力に変え、勝負の第3戦でチームを救う一打を打てるか。3年連続Bクラスから2位に躍進した西武の底力が試される決戦が始まる。

文=伊藤順一 写真=高原由佳
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