CS巨人戦で2本塁打

巨人とのCSで8打数3安打、2本塁打と打線をけん引した度会
DeNAはCSになると、レギュラーシーズンとは違うチームに姿を変える。2024年は3位からCS、日本シリーズを勝ち抜いて26年ぶりの日本一に輝いたが、今年も3位からの下克上を予感させる。
CSファーストステージでは敵地・東京ドームで巨人に2連勝。その主役となったのが
度会隆輝だ。第1戦は同点の9回に、難攻不落の相手守護神、
ライデル・マルティネスの152キロ直球を振り抜き、右中間スタンドへ決勝ソロ。ダイヤモンドを一周する際に右拳を突き上げ、三塁ベンチでナインとハイタッチを交わす際に何度も雄叫びを上げた。「なにがなんでも打つと決めて打席に入った」とお立ち台で振り返り、「必ず勝って日本一になるぞと話していたので、明日も勝ちたい」と力強く宣言した。
その言葉を有言実行する。翌11日の第2戦は初回に先制の右中間越えソロ。ドラフト1位左腕・
竹丸和幸の149キロの直球を右中間席最前列に運んだ。CSで球団史上初の初回先頭打者アーチが2試合連続決勝弾となり、4対1で快勝。ファイナルステージ進出を決めた。
3年目の今季は飛躍のシーズン
ドラフト1位で入団して3年目を迎えた今季は、飛躍のシーズンに。「天才打者」と形容される高い打撃能力を持ちながら、ムラがあったのが定位置をつかめない要因となっていた。今季は失敗を引きずらずに気持ちを切り替える姿勢が見える。自己最多の134試合に出場して初の規定打席に到達。スタメンを外れたときも途中出場に向けて準備を怠らない。打率.274、9本塁打、51打点をマークし、8月以降は一番に定着した。
現役時代に首位打者を2度獲得した野球評論家の
篠塚和典氏は週刊ベースボールの企画「連続写真に見るプロのテクニック」で、度会の打撃について以下のように分析している。
「下半身自体はしっかり回転させることができているのですが、インコースのボールに対応するときはより腰の回転を意識したほうがいいのではないでしょうか。腰の回転で上半身を回すことを意識すれば、グリップはあとから遅れて出てくるイメージになり、自然にヘッドも下がってバットの出方がよりスムーズになるはずです。繰り返しになりますが、それでもベースとなるスイングには素晴らしいものがあります。コースや球種、状況に応じたスイングの種類、対応力をアップさせていくことができればコンタクトの確率はさらに上がっていき、首位打者を争うような打者へと成長していくことができるはずです」
阪神相手に打率.296をマーク
ファイナルステージで対戦する
阪神はリーグ連覇を飾った強敵だが、苦手意識はないだろう。レギュラーシーズンの対戦成績は12勝13敗。敵地・甲子園でも5勝5敗と互角の戦いを繰り広げた。度会も今季は対戦打率.296をマーク。他球団のスコアラーは「
牧秀悟、
筒香嘉智、
エンカーナシオン、
佐野恵太、
宮崎敏郎と強打者がそろっていますが、一番怖いのは度会でしょう。好調の時はどんな球も打たれる怖さがある。チームのムードメーカーなので勢いに乗せると、打線全体が活気づく」と指摘する。
11月のアジアチャンピオンシップに臨む侍ジャパンにも初選出された。日の丸をつけて国際舞台での活躍が楽しみだが、今はもちろんDeNAの戦いに集中している。新人の24年はチームが短期決戦を勝ち上がって日本一にのぼりつめたが、CSでベンチ入りを果たせず、日本シリーズでも招集されなかったため複雑な思いがあっただろう。レギュラーシーズン2位の昨年は巨人と対戦したCSファーストステージの第2戦で代打出場して右前打を放ち、逆転勝利につなげて2連勝したが、ファイナルステージで阪神に3連敗。投打で圧倒されて終戦を迎えた。
今回の対戦では先発が予想される
村上頌樹、
高橋遥人、
才木浩人とエース級の3人をどう攻略するか。リードオフマンの度会が初回から出塁すれば試合の流れを引き寄せられる。チームのキーマンであることは間違いない。
写真=BBM