最後まで打線が振るわず

サードで出場を続けた渡部。シリーズを通じて打撃は上向かなかった
「2026パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第3戦(ベルーナ)が10月12日行われ、
西武は
日本ハムに1対4で敗れた。対戦成績は1勝2敗となり、ファーストステージで敗退。これで2012年以降、7度出場したCSは、いずれもステージ突破を果たせずに終わった。
先発の
武内夏暉は2回に突如乱れた。
郡司裕也、
フランミル・レイエスの連打で一死一、二塁のピンチを招くと、
野村佑希に左前打を浴びて先制点を献上。この回の失点は1点にとどめたものの、ボークなどもあり40球を費やした。4回には
万波中正に本塁打を浴び、5回にも
奈良間大己の犠飛で失点。5回6安打3失点でマウンドを降りた。
反撃したい西武打線は5回、
タイラー・ネビン、
長谷川信哉の連打と
外崎修汰への死球で一死満塁の好機をつくった。しかし、得点は
源田壮亮の右犠飛による1点のみ。1、2戦でも好機に凡退していた2年目の
渡部聖弥は、
伊藤大海の高めのツーシームを打ち上げ、捕飛に倒れた。3試合を通じて勝負どころで結果を残せず、屈辱を味わう初CSとなった。8回にも一死一、二塁と反撃機をつくったが、
滝澤夏央、ネビンが凡退。最後まで劣勢をはね返すことはできなかった。
西武は交流戦で球団初の優勝を果たし、レギュラーシーズンを79勝60敗4分けの2位で終えた。チーム打率.244(リーグ3位)、503得点(同3位)、109本塁打(同4位)と攻撃力の底上げを図り、3年連続Bクラスから躍進を遂げたシーズンだったが、その成果を集大成となる短期決戦で発揮することはできなかった。
西口文也監督は「先に点を取りたかったが、後手に回ってしまった。伊藤君を打ち崩すことができなかった。第1ステージを突破して
ソフトバンクさんと戦いたかったですけど、本当に悔しい」と無念さをにじませた。
3試合でわずか4得点に終わった打線については「この短期決戦の中で、選手たちがいかに自分の力を出せるか、という難しさを改めて実感したと思う。こういうときに、どれだけ力を出せるか、先に点を取っていかないとしんどい。それが課題ですね」と指摘。さらなる得点力の向上を求めた。そのうえで「この悔しさを初めて経験した選手が多いと思う。これを来年以降にしっかり出していければ」と、敗戦を糧にしたチームの成長に期待を寄せた。
「責任を感じます」
なかでも、勝負どころでことごとく好機が巡ってきながら、結果を残せなかった渡部の悔しさは大きい。
「あそこ(5回)で打ちたかったですね。ただ、打ちたいっていう気持ちだけでは打てないんで、やっぱり力不足だなというのは感じました」
前日の試合後、西口監督からは「思い切りよくいけてないというか、腹をくくれていないように見える」と指摘されていた。これについて、渡部は精神面の問題だけではないことを自覚している。
「腹をくくるだけじゃなくて、腹をくくって真っすぐを狙ったとして、その真っすぐを狙って打てる技術、自分が思ったところ(高さとコース)にバットを出せる感覚の部分がしっかりしていないと、狙い球を絞っても打てないと思う」
気持ちの持ち方だけでは、勝負どころで結果を残せない。狙い球を定めても仕留められるだけの技術がなければ、勝負には勝てないことを、この短期決戦で痛感していた。
「そこを埋めるために練習あるのみかなと思います。まずは量をしっかりこなして、そこから。収穫はあったと思いますが、まだまだやれたなと思うことが多い。なにかこれをずっとやるというよりも、もっともっと進化していかなきゃいけない感じの1年でした」
今季の経験を振り返りながら、渡部は来季に向けてさらなる成長を誓った。
「日本ハムとの力の差? そんなに大きな差は正直感じていません。もしも、自分が打つべきところで打っていれば、勝ったかもしれないですし。となったら、やっぱり自分の力不足ということを痛感するし、ことごとく(試合の)ポイントで自分に回ってきていたので、責任を感じますね」
チームを勝利に導くはずの好機で、結果を残せなかった。その悔しさを晴らすために必要なのは、精神論ではなく「確かな技術を身につけること」。これからの秋季練習、キャンプに向け、渡部はこの3試合で明確となった自らの課題を、そう結論付けていた。
文=伊藤順一 写真=高原由佳