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【東京六大学野球】「18年連続、そこを継続するプレッシャーがある」と語る明大3年生外野手の心意気とは

 

「俺もいるんだぞ」と先輩を意識


明大・田上は法大1回戦で通算7号を放った。50メートル走5秒9の俊足巧打の外野手だ[写真=矢野寿明]


 明大の背番号「8」。左打席での一連の動きが1学年上の先輩・榊原七斗(4年・報徳学園高)に似ている。田上夏衣(3年・広陵)に確認してみた。

「よく言われます(苦笑)。プレースタイルもそうですけど……。偉大な先輩なので、そこを追いつけ追い越せというのはありますが『俺もいるんだぞ』という気持ちでやっています」

 昨秋まで1年間、榊原が着けてきた背番号「8」を今春、田上が引き継いだ。榊原は「何事にも一番になる」との本人の意向を受け、戸塚俊美監督も承認し「1」を着けている。

 田上は今秋、開幕カードの東大2回戦で2本塁打6打点と好スタートを切った。不動の「二番・左翼」。一般的な「つなぎ」ではなく、攻撃的な役割が求められていると自覚する。

「後ろに良いバッターである三番・榊原さん、四番・内海(内海優太、4年・広陵高)さんが並んでいるので、そこにいい形で回そう、と。チャンスだったら返して、無死走者なしだったらとにかく塁に出ることを意識しています」

 アクシデントがあった。2カード目の早大2回戦(10月6日)の6回裏に中前打を放った際、一塁ベースを回ったときに「ちょっと見間違えて」と左足首をねんざ。治療のため、ベンチに下がったが、そのまま交代となった。早大3回戦は先発から外れ、代打での出場(遊ゴロ)。チームは2対4で惜敗し、勝ち点を落とした。

 早大・小宮山悟監督は試合後「(田上が)ラインアップから外れているので、故障ということなんでしょう……。ベストメンバーを組めなかった点で言うと、明治さんのほうはきつくはなったのかなという気がします」と明かした。戸塚監督も「やはり、大きいですね。打線のつながりという意味でも(田上は)大きな存在です」と、欠場が響いたことを認めた。

1年後の「運命の日」に言及


 中3日で迎えた法大1回戦(同10日)、田上は定位置に戻ってきた。0対1の3回裏に逆転2ラン(リーグ戦通算7号)。チームは5回表に追いつかれたが、7回裏に若狭遼之助(4年・星稜)の勝ち越し3ランが飛び出し先勝した。

「早稲田との3回戦はベンチから見ていて、すごく悔しい気持ちがあったので、代打で打ってやろうと思ったんですけど、なかなか難しいところがありました。(本塁打の)打ったボールはスライダーです。タイミングがズレたんですけど、振り切れたので入ってくれました」

 相手投手は法大の先発・助川太志(4年・茗渓学園)。技ありの一発だった。

「春に対戦したときは1本も打てなくて相性が悪かったんですけど、考え方を少し変えて入るようにしました。カット系のピッチャーなので、(体を)入れ込んで逆方向を意識していたんですけど、今日は思い切り引っ張って、ファウルでもいいと割り切りで打った結果が良かったです」

 明大は法大2回戦で連勝し、今季2つ目の勝ち点を挙げた。17日からは勝ち点3で首位を走る慶大とのカードが組まれており、大きなヤマ場を迎える。

 10月22日にはドラフト会議が行われる。明大からは榊原のほか、計6人がプロ志望届を提出。明大は昨年まで、歴代最長の16年連続でのドラフト指名を受けている。田上は3年生で、1年後に「運命の日」を迎える。

「プロに行きたいという気持ちがあります。今年も指名されると思うので、その後の18年連続、そこを継続するプレッシャーがあるんですけど、達成できるように頑張りたいです」

最終学年に希望する背番号は「10」


 榊原が卒業すれば、背番号「1」が空く。早いのは承知の上で、来年、最終学年で希望する番号を聞くと、田上は間髪を入れずにこう答えた。

「10番です。そこは、指導者が決めるので、まだ全然分からないですけど……」

 東京六大学で背番号「10」とは、キャプテンナンバーである。田上には意識するライバルがいる。広陵高の同級生である立大の遊撃手・小林隼翔(3年)だ。

「この大学4年間で100安打を達成したい気持ちがあります。(小林よりも)デビューは遅かったんですが、追い越します」

 1年春からレギュラーの小林が通算57安打に対して、2年春に定位置をつかんだ田上は通算54安打と猛追する。通算打率では田上が.312と、小林の.252を上回っている。立大の主将・落合智哉(4年・東邦高)によれば、小林が次期主将の有力候補の一人だという。田上は「負けたくないです」と力強く語る。まずは残り2カードの今秋、最高の形で4年生を送り出すことに専念する。

取材・文=岡本朋祐
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