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西武・平良海馬のメジャー移籍は実現するか 「先発で挑戦したい」と明言、譲れない条件

 

最優秀防御率を獲得


先発再転向した今季、防御率1.36と見事な成績を残した平良


 今オフのメジャー・リーグ挑戦が注目されている西武・平良海馬が、秋季練習が始まった10月20日、本拠地施設でメディア対応し、早期挑戦への思いを語った。

 プロ9年目の今季は、23試合に先発登板して12勝5敗、防御率1.36で、自身初の最優秀防御率のタイトルを獲得。昨年はチーム事情で抑えに回り、31セーブで最多セーブ投手賞を受賞。同賞獲得翌年に最優秀防御率を獲得したのは1976年の新浦寿夫(巨人)以来、48年ぶり4人目となった。

 平良は「失点を抑えるという投手の仕事に関しては、一番失点を抑えたというところで良かったかな」と今季を振り返った。その上で、2019年の契約更改から球団に伝え続けているメジャー挑戦について「毎年球団には行きたいと伝えているので。(今オフなら)ポスティングになる。僕の権利ではないので、球団次第かなと思います」と説明。CS敗退の2日後には、広池浩司取締役球団本部長と直接会話したことも明かした。

 今オフ、メジャーでは現行の労使協定が12月1日に失効し、その後はロックアウトに突入することが予想されている。移籍市場に出れば佐藤輝明(阪神)とともに、複数球団による争奪戦が予想されているだけに、平良の代理人を務めるスコット・ボラス氏にとっては、日本シリーズ後、いの一番にポスティング申請を行い、11月中になんとか決着をつけたいところだろう。

 平良は「行けるときに行きたい。どのタイミングでも欲しいと思ってもらえる選手になりたいですし、そう言ってもらえるチームに行きたい」と明言。今後については「代理人と球団との話し合いだと思うので、僕は来年に向けてトレーニングやスキルの向上をしていくだけです」と話した。

 その一方で、メジャー挑戦にあたって平良には譲れない条件がある。あくまで先発投手として海を渡ることだ。

「先発で挑戦したいと思っているので。先発として2023年よりいい成績が残せて、技術的なスキルや球速なども向上できたので、自信はあります」

 強い先発志向を持ちながら、最速160キロのストレートと多彩な変化球を武器に、これまで救援投手として62セーブ、111ホールドを積み重ねてきた平良。昨年も、抑えを務めていたアルベルト・アブレウの退団を受けたチーム事情から、西口文也監督と球団から強いクローザー要請を受け、引き受けた経緯があった。

先発への強い意思


 これまで平良は、2022年の最優秀中継ぎ投手賞、2025年の最多セーブ投手賞と、リリーフでの実績を積み重ねてきた。そのため、平良を調査するメジャー球団の中には、先発よりもリリーフとしての適性を高く評価するところが複数あるという。

 あるメジャー関係者は「平均球速的にも、低いリリースポイントから独特の軌道と全球をスライドステップ(クイックスロー)で投げるユニークなスタイル的にもクローザーとしての価値が高い」と指摘する。独特の投球フォームに加え、短いイニングで持ち味を最大限に発揮できるスタイルは、救援投手としての市場価値を高める要素になっている。

 しかし、本人が求めているのは、リリーフとしてではなく、あくまで先発投手としての評価だ。メジャーの移籍市場では、まず有力な先発投手の評価や契約が固まり、その後、各球団の補強方針に応じてリリーフ投手の需要も具体化していく。ポスティング移籍が実現すれば、複数球団の競合が予想される平良にとって、今回の明言は単なる希望表明にとどまらない。リリーフとしての獲得を考えている球団に対し、「先発として評価してほしい」という意思を突きつけた格好だ。言い換えれば、リリーフでの起用を前提とする球団には「ノーチャンス」とアピールしたともいえる。

 リリーフとして築いた実績を武器にしながらも、先発としての可能性を追い求める平良。今季の最優秀防御率という実績を携え、本人が望む役割で海を渡れるか。移籍先の行方とともに、獲得希望球団がどのような評価を下すのかにも注目が集まる。

文=伊藤順一 写真=BBM
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