投手力、守備力が光ったCS

見事にチームを日本シリーズに導いた相川監督。2年前の再現を狙う
レギュラーシーズンは3位と優勝争いに絡めなかった
DeNAだが、CSで
巨人、
阪神に一度も負けずに日本シリーズへ進出した。
2024年にレギュラーシーズン3位から28年ぶりの日本一に駆け上がっており、短期決戦に強いイメージがあるが、決して勢いだけのチームではない。今季は6月に4勝15敗と大きく負け越して最大借金15を背負ったが、7月以降は44勝27敗1分けと盛り返した。
相川亮二監督は「“勢い”と言われるが(後半の)3カ月、しっかり戦ってきた自信がある」と強調していた。破壊力抜群の打線のイメージは強いが、CSでは意外な戦いぶりが見えてくる。
東京ドームで巨人と対戦したファーストステージ第1戦は1対1の投手戦で9回に
度会隆輝が相手守護神の
ライデル・マルティネスから決勝アーチ。第2戦も巨人打線の反撃を1失点に抑え、4対1で快勝した。甲子園で戦った阪神戦は第1戦から3試合連続完封勝利。相手打線の中軸を担う
佐藤輝明、
森下翔太がコンディション不良でスタメンから外れた試合があったことを差し引いても、DeNAの投手力、守備力の高さが光った。
相川監督が思い描いたスタイル
この戦いぶりは、相川監督が就任の際に思い描いていたスタイルだった。週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っている。
「まず、ベイスターズの最大の特長は攻撃力です。そこが前提になります。攻撃力を伸ばしながら、守備力というところの技術の成長は、いつまでも止まることはない。その中には“状況判断”というところも入ってきますし、この部分はまだまだ改善していかなくてはいけません。あるシチュエーションがあって、そのときに全員が『この場面であればこうする』と一致した状況判断をできるようなチーム力、組織力が重要になります」
「キャンプでは、このすり合わせを全員でしてきました。全員が同じ状況判断をすることができれば、プレーの質が高まりますが、現在のチームはまだ向上の余地があります。何もすべてファインプレーをしてくれと言っているわけではなく、アウトにできるプレーは確実にアウトにする。『この場面であればこうだよね』という選択が個人個人で違う状態を埋めていく。それができなければチームとしての戦術も成立しないので、もっと改善していきます。もちろん、それは守備だけではなく攻撃においてもです」
好調を維持している主軸

CS6試合で4本塁打を放った牧。日本シリーズでもその打棒がカギを握る
基本を大事にして、試合の主導権を握る。選手たちはミスを取り返すたくましさがある。ファイナルステージ第3戦で、初回無死一、二塁の好機に、プロ10年目で犠打ゼロの
佐野恵太にバントのサインが出たが、捕手の目の前に転がって二塁走者が三塁で憤死。先制機を逃したが、佐野はこのままでは終わらない。3回一死二、三塁の好機でバックスクリーンの右に先制3ランを放って3連勝に導いた。
牧秀悟も好調を維持している。CSに6試合出場で打率.381、4本塁打でMVPに。今季は4月下旬に「右太腿裏の肉離れ」で1カ月以上離脱したにもかかわらず、108試合出場で自己最多の30本塁打をマークした。
「目指していた数字ではあります。(9月22日の
中日戦=横浜は)たまたま、親が地元から親の友達と来ていました。全然いいところを見せられていなかったので、こういう日に打てて良かったと思います。ばあちゃんは亡くなってしまったのですが、ホームランを打つと喜んでくれたので、そういう人たちのために打てたのも良かったです。ケガもありながら30本に到達できたのは、一つの自信になります」
「打撃を見つめ直してきたシーズンでした。ファウルになっていたものがフェアゾーンに残って、それがホームランになる。そんなケースが、ケガ明けから多くて、新しい感覚に思います。まだまだ1本ずつ積み重ねていきたいです」と手ごたえを口にしていたが、CSでもアーチを量産してすご味を増している。
日本シリーズはリーグ3連覇を飾った
ソフトバンクと激突する。2年前の対戦では2連敗から4連勝で頂点に立ったが、手強い相手であることは間違いない。打線の中軸で期待される
ヘラル・エンカーナシオンが下半身のコンディション不良で出場できるか不透明な状況だが、チーム一丸となって戦うしかない。2年ぶりの日本一に向け、DeNAの熱い戦いが続く。
写真=BBM