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大学野球レポート

【東京六大学野球】法大史上5人目の偉業を目指す「通算100安打」の価値とは

 

教訓となった1年春のデビュー2戦目


明大2回戦では5打数3安打の固め打ち。7回裏の第4打席で左前打を放ち通算98安打とした[写真=矢野寿明]


 リーグ史上35人目の偉業まであと2本である。

 10月22日のドラフト会議でソフトバンクから4位指名を受けた法大の主将・藤森康淳(4年・天理高)は通算98安打で、最終カードの東大戦を控えている。10月24日に予定されていた1回戦は雨天中止。学生最後のリーグ戦は仕切り直しとなった。

 今秋の開幕2日前(9月10日)に開催された懇親会で、藤森は抱負を語っていた。

「天皇杯を奪還できるように精いっぱい頑張ります。個人としては100安打を目前としているので、しっかり達成できるように頑張りたいと思います」

 天理高では巧打の内野手として、高校日本代表でもプレー。華々しい球歴を引っ提げて法大の門をたたき、1年春から出場したが、決して順風満帆な4年間ではなかった。先述の懇親会では、神宮で最も印象に残ったプレーについて挙げている。

「(六大学デビュー2戦目の)1年春の早大2回戦で1回の二番バッターがセカンドゴロを打たれたんですけど、自分は引いてしまって、内野安打にしてしまったときに現在、横浜ベイスターズに在籍している当時3年生の篠木(篠木健太郎)さんが、鬼のような形相でこちらを見てきまして……(苦笑)。そこからちょっと、今は外野に行っているんですけど、自分の野球の幅が広がったかなと思っています。篠木さんには感謝しています」

 神宮デビューの1年春は二番・二塁で5試合に先発出場、15打数5安打。ところが、1年秋は代走のみ5試合の出場と出番が減った。外野に転向した2年春は二番・中堅に定着して初めて規定打席に到達したが、打率.189(37打数7安打)とリーグ28位に終わった。同秋は主に一塁手として出場し15安打を放ち、打率.294と飛躍への足掛かりをつかんだ。3年春は一番・中堅、同秋は三番・中堅として年間45安打と量産。3年秋は打率.466で初の首位打者と猛アピールし、卒業後の進路志望を「プロ」に定めた。主将となった4年春も上位打線の一角を担い12安打(打率.245)を放ち、学生ラストシーズンを迎えた。

リーグ最多14四死球


通算98安打を放ち、一塁ベース上でガッツポーズ。主将としてチームをけん引している[写真=矢野寿明]


4年春を終えて84安打。懇親会では、あえて口に出して、プレッシャーをかけたのだ。

 早大との3試合、立大1、2回戦を終えて17打数6安打(打率.352)と順調な滑り出し。ところが、雨天中止が相次ぎ、その後は日程が不規則になった。3カード目の慶大戦は1回戦(10月3日)で2安打を放ったものの、2回戦(同4日)、3回戦(同5日)は無安打に終わった。未消化分により、中1日の立大3回戦(同7日)で1安打。直近4試合で3安打と足踏みした。残り2カードで7安打。中2日で迎えた明大1回戦で2安打を放った。

「最近、打てていなかったので、無理そうだなとか思っていたんですけど、今日ちょっと出たので……。四球が結構多いので(リーグ最多14四死球)、まずは出塁することを考えて、チームが勝つことも最優先です。その中で 100 安打を達成できたらなと薄々思っています。どこかで固め打ちをしたいですね……」

選球眼に優れ、狙いを定めたボールをたたく。その言葉の通り、明大2回戦では3安打を放ち、カウントダウンに入った。第6週を終えてリーグ5位の打率.378。チームの勝利を大前提にプレーしてきたが、すでにリーグ制覇の可能性は消滅。だが、目標は見失っていない。東京六大学リーグ戦は対戦する5校との「対抗戦」。つまり、全5カードで勝ち点(2勝先勝)を奪取することを目的としている。

法大で大台突破は過去4人


 過去に法大で100安打以上を記録したのは4選手である。

▽歴代5位121安打    大引啓次(元オリックスほか)
▽歴代11位タイ114安打 小早川毅彦(元広島ほか)
▽歴代20位タイ108安打 金光興二(元三菱重工広島)
▽歴代24位タイ106安打 多木裕史(元トヨタ自動車)

 安打は1本1本の積み重ね。慶大が最多11人で早大9人、立大6人、明大4人と続く。100安打を放つには下級生時代からの出場が必要であり、藤森の偉業が際立ってくる。

背番号10の藤森が通算100安打を達成すれば、慶大・柳町達(通算113安打、ソフトバンク)、明大・宗山塁(通算118安打、楽天)に次いで、令和3人目である。

取材・文=岡本朋祐
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