週刊ベースボールONLINE

大学野球リポート

【首都大学野球】東京経済大・山田蓮が最上級生の意地を見せる理由

 

開幕からの連敗を9でストップ


東京経済大は一部6位が決まっており、二部優勝校・桜美林大との入れ替え戦を控える。4年生右腕・山田がカギを握る[写真=BBM]


10月25日
東京経済大4x-3武蔵大(1勝1敗)延長11回

 首都大学秋季リーグ戦第8週1日目。今秋、一部に昇格した東京経済大が武蔵大2回戦で、開幕から10試合目にして、今季初白星を挙げた。2点を追う9回裏に岡田諒汰郎(4年・岡山学芸館高)と矢崎航大(3年・駿台甲府高)のタイムリーで同点とすると、延長11回裏は再び岡田が適時二塁打を放ってサヨナラ勝ち、4対3で武蔵大を下した。

 この試合で7回からの5イニングを無失点に抑え、勝利投手となったのが山田蓮(4年・藤枝明誠高)だ。今春からは先発を任されているが「3年生まではリリーフだったので、試合の途中から投げるのは慣れています」と今季2試合目のリリーフ登板。「5回くらいからキャッチボールをして肩をつくっていたのですが、興奮して熱くなりすぎないように心掛けていました」と落ち着いたピッチングを披露した。

 タイブレークの10回表は一死二、三塁のピンチを迎えたがチェンジアップで空振り三振。11回表はイニングの先頭打者に強打者の羽村伊夏(4年・創価高)を迎えたがインコースのストレートでショートフライに仕留めた。「タイブレークでしたが、そのイニングをゼロに抑えるというよりは、目の前のバッターを一人ずつ打ち取っていくことを意識して投げました」。山田にとって一部での初白星となったが「チームの一部での1勝目にかかわることができて良かったです」と頬を緩ませた。

 今春は二部リーグで防御率0.00をマークし、ベストナインに輝いた。

「春季リーグは真っすぐに加えて右打者にはスライダー、左打者にはチェンジアップで勝負できました」

 城西大との入れ替え戦でも2回戦に先発し4安打完封勝利。一部昇格の立役者となった。

「初戦を勝った後、チームに疲れが見えていたので『2試合で決めないと』と感じていました。試合は1回から自分の思うようなピッチングができたと思います。ただ、9回は2アウトからヒットを2本打たれて一、二塁とされたのですが、点を取られたら交代だと言われていたので『ここで代わりたくない』と思って投げました。最後の打者はセカンドゴロでホッとした気持ちとうれしさがこみあげてきました」

 今夏は変化球の精度を上げてきた。

「自分の持ち味はどの球種でもストライクが取れるところ。でも、春はストレートとスライダー、チェンジアップの3球種に頼っていたのでカットボールとカーブの強化をテーマにし、オープン戦の実戦を通して打者の反応を見ながら投げ込んできました。そのおかげでボール先行のカウントでも投げられるくらい自信が付いています」

後輩のために「残留」を


 しかし、秋季リーグの初登板となった第2週の東海大2回戦では先発して5イニングを投げるも8失点。一部の壁に跳ね返され「何を投げても打たれてしまう気がして、9月はずっと悩んでいました」と振り返る。そんな状況のなか、復調のきっかけとなったのがツーシームだ。

「秋のリーグ戦に向けてフォークボールの練習をしていたのですが、なかなかうまくいきませんでした。そこで握りを変えて、開いていた指を少し狭めて投げたところ、速く小さく曲がりながら少し沈むようなボールになったんです。それで空振りを狙うのではなくゴロアウトを取るボールとして使うようにしました」

 前週の筑波大2回戦では8回を完投して3失点。そして、この日の武蔵大2回戦では得点を許さず。そして、11回表の一死満塁のピンチはショートゴロの併殺打で切り抜けたが、その時に投げたボールがまさにツーシーム。本人も「ピンチで頼れるボールになりました」と新球種に手応えを感じている。

 東京経済大は武蔵大3回戦を残しているが、すでに二部優勝校・桜美林大との入れ替え戦が決まっている。ともに先発を務めている高橋琉士(4年・桐光学園高)とは「後輩たちがもう一度、一部で戦えるように『何としても、残留しよう』と話しあっています」と山田。たった一季で二部に戻るわけにはいかないという決意を新たにし、最後に4年生の意地を見せる。

取材・文=大平明
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング