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「日本球界を代表する逸材」が5勝のみ…工藤公康監督就任で飛躍期待の中日右腕は

 

近年は納得いかない成績


今季はわずか5勝に終わった高橋宏。本来はもっと白星を稼がなければいけない投手だ


 期待の大きさの表れだ。井口資仁監督が就任した侍ジャパンの初陣となる「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」が11月12日に開幕することに先立ち、10月7日に出場メンバーが発表された。今季新人で11勝をマークした竹丸和幸(巨人)、入団3年間で2度の2ケタ勝利をマークしている武内夏暉(西武)など期待の若手投手たちが選出されたなか、指揮官が「このチームでエースになることは間違いありません」と会見で断言したのが、24歳の高橋宏斗(中日)だった。

 投げている球を見れば、異論はない。常時150キロ中盤を計測する直球、140キロ台のスプリット、右打者の外角に逃げるキレ味鋭いカットボールとすべての球種が一級品だ。2024年に12勝4敗、防御率1.38で最優秀防御率のタイトルを獲得。侍ジャパンで2大会連続WBCに出場し、メジャーの注目度は高い。だが、近年のパフォーマンスを見ると、「もっとできる」という思いがファンは強いのではないか。

 昨年は3年連続で規定投球回に到達したが前半戦の不調が響き、8勝10敗、防御率2.83。今年は春先から白星を重ねることが期待されたが、5月終了時点で1勝6敗、防御率4.86と大きく負け越した。大量失点を喫する試合が目立ち、6月から1カ月半ファームで調整期間を過ごした。7月20日に一軍復帰以降は、10試合登板で4勝1敗、防御率0.90と無双状態に。最終的に19試合登板で5勝7敗、防御率2.62。123回2/3で4年連続規定投球回は到達できなかった。シーズントータルで考えると納得できる成績ではないが、後半戦のパフォーマンスを見ると光は差し込んでいる。

大きな変革期を迎える中日


 印象的な試合が、9月13日の阪神戦(甲子園)だ。相手先発・才木浩人との白熱した投手戦となり、9回4安打無失点12奪三振の快投。9回に一死二、三塁とこの試合で最大のピンチを迎えたが、大山悠輔を外角低めのカットボールで空振り三振、二死満塁で坂本誠志郎を外角低めいっぱいの156キロ直球で右飛に仕留めた。勝利投手にならなかったが、チームは延長戦の末に1対0で勝利して自己最多142球の熱投が救われた。

 最下位に低迷した中日は工藤公康新監督が就任し、大きな変革期を迎えている。工藤監督の代名詞が「優勝請負人」だ。現役時代は西武で黄金時代のエースとして活躍し、その後に移籍したダイエー(現ソフトバンク)、巨人と史上初の3球団で日本シリーズ勝利投手になった。指導者としても名将だ。ソフトバンクの監督に就任した15年からの7年間で3度のリーグ優勝、5度の日本一に導いている。

期待される工藤監督の手腕


 巨人OBの堀内恒夫氏は工藤監督に関して「俺が巨人の監督を務めていた2004年8月17日のヤクルト戦(東京ドーム)で、通算200勝を達成。その試合で、公式戦では初の本塁打となる2ランを放ち、完投勝利を収めるドラマチックな勝負強さを見せつけている」と週刊ベースボールのコラムで振り返った上で、「現役引退後に筑波大の大学院でトレーニング論を学んだ工藤新監督には、ぬるま湯に浸かった中日の選手たちを徹底的に鍛えてもらいたい。ケガが多発するということはいかに野球の反復練習を疎かにしていたか、その一言に尽きる。さらに先発投手には中5日100球で回すローテーションを確立して、200勝投手が“絶滅危惧種”に指定されたNPBで“投手改革”を実現してもらいたい。工藤新監督の手腕には、日本プロ野球の未来が託されている」と期待を込める。

 昨年のチーム防御率3.28はリーグ4位。2ケタ勝利を挙げた投手は、38歳左腕の大野雄大のみだった。いつまでも大野、柳裕也に頼ってばかりはいられない。高橋宏が先発陣の先頭に立ち、2ケタ勝利を通過点に沢村賞を狙える高水準の成績を残さなければ、優勝争いに絡んでいけない。勝つ術を熟知している工藤監督から学ぶことは多いだろう。来年はシーズンを通して無双状態で輝き続けられるか。能力の高さを考えれば、決して不可能な目標ではない。

写真=BBM
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