チームメートのミスをカバー

東京経済大・高橋は入れ替え戦1回戦で好投した[写真=大平明]
10月31日【一部二部入れ替え戦】
東京経済大2-1桜美林大
首都大学秋季リーグ一部二部入れ替え戦1回戦。一部6位の東京経済大と、9戦全勝で3季ぶり4度目の二部優勝を果たし、24年秋以来の一部復帰を目指す桜美林大の入れ替え戦が行われた。序盤は投手戦となったが6回表、東京経済大は無死一、三塁から岸本空知(4年・倉敷商高)がピッチャー強襲のタイムリーを放って先制。なおも一死満塁から大塚和央(3年・文星芸大付高)がライトへ犠牲フライを打ち上げて2点目を追加した。この2点のリードを守り切って完投勝利を挙げたのがエースの左腕・高橋琉士(4年・桐光学園高)だ。
「今季は同級生の山田
蓮(4年・藤枝明誠高)と2人でたくさんのイニングを投げてきたのですが、試合にはなかなか勝てませんでした。そして、自分たちが多く投げた分、後輩たちの投げる機会が少なくなってしまったので、この入れ替え戦はなんとか勝って一部に残留し、後輩たちには来春のシーズンに一部で投げてもらいたいと思っています」
気合十分でマウンドに上がった高橋は初回に一死からレフトへヒットを打たれたものの、二塁を狙った打者走者がタッチアウト。以降は7回裏の先頭打者にヒットを打たれるまで一人の走者も許さず、16者連続でアウトを取った。
「今日は飛びぬけて良いボールはなかったのですが、質の悪いボールがいっても続けることなく、次のボールはきちんとコーナーに投げることができました」
その7回裏は内野のエラーが重なって一死一、三塁のピンチを迎えたが、後続は一ゴロと一邪飛に切って取った。「チームメートのミスをカバーするのが自分の役目なので『絶対、ゼロに抑えてやる』と思って投げました。最後のファーストフライは真っすぐで思い通りに打ち取ることができました」。9回裏には1点を失ったが「ギアをもう一段上げて気持ちを込め、キャッチャーのミットだけを見て投げました」と最後の打者は三振に仕留めて2対1。ロースコアの接戦をモノにして、大きな1勝目を挙げた。
後輩の手本
今春は二部で最優秀選手を受賞し、チームの一部昇格に貢献した高橋。しかし、今秋の開幕戦となった日体大1回戦では4回途中で10失点。「応援を含めて二部では経験したことがない雰囲気にやられてしまい、真っすぐが高く浮いてしまいました」。そこで「低めを意識して投げ込んできました」とリーグ中盤には持ち直すと、4試合連続でタイブレークを戦うこととなった。
武蔵大1回戦は10回を投げて勝敗はつかず。その後の帝京大1回戦は10回、日体大2回戦は9回0/3、筑波大1回戦は11回を投げて3試合連続で完投したがすべて黒星。力投も報われなかったが「自分がゼロに抑えていれば負けないので、失点してしまった自分のせいだと思っています」と敗戦の責任を背負った。
それでも最終週の武蔵大2回戦では先発として6回を投げて3失点。高橋に白星は付かなかったがチームは因縁のタイブレークを制し、今季初勝利を挙げている。そして、シーズン通算では7試合の先発を含む8試合に登板し、防御率は2.02まで復調。投球回数の58イニングはリーグ最多だった。
「こんなに投げたシーズンは初めて。疲れはありましたが、試合で投げた日の夜は2時間かけてストレッチをし、試合がない日も毎日1時間やってケアしてきました」。この夏は制球力アップを課題にしており「四死球が多かったのですが、春は足を上げきる前に投げにいっていました。そこで、足をきっちりと上げて、ワンテンポおいてから投げるように修正しました」と、この日の入れ替え戦では9回を投げて1四球のみと成果を出している。
指揮を執る飯田孝雄監督は「エースとしての自覚を持って、普段の取り組みから後輩の手本になってくれる選手。リーグ戦は勝ち星に恵まれませんでしたが、攻撃陣も入れ替え戦ではなんとか勝ちを付けてあげたいと思っていたはずです」と話している。
卒業後は社会人で野球を続けることが内定しており「都市対抗と、プロを目指したいです」と高橋。その前の大仕事として「今日の勝利でチームに余裕ができたと思うので、明日で決めたいです」と一部残留を目指す。
取材・文=大平明