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大ケガから復活して大ブレーク 侍ジャパンの核になる「若手成長株」は

 

日本シリーズ連覇の原動力


DeNAとの日本シリーズで2本塁打を放ち、MVPに輝いた正木


 2年連続日本一に輝いたソフトバンクで、大きな輝きを放ったのが正木智也だった。DeNAと対戦した日本シリーズでは第3戦で延長10回にサヨナラ弾を放つなど、16打数7安打で打率.438、2本塁打、2打点の大活躍。4連勝を飾り、MVPが発表された後のインタビューで「バッティングの調子が上がったのは、本当に長谷川(長谷川勇也)コーチと近藤(近藤健介)さんのおかげで。この舞台で打つことができました」と感謝の思いを口にした。

 今季はレギュラーシーズンで自己最多の101試合に出場し、打率.274、28本塁打、59打点とブレーク。3月のオープン戦終盤に「右足の蜂窩織炎」で戦列を離れ、一軍に昇格したのが5月15日。長打力が魅力の選手だが、託された打順は一番だった。最初からすぐに対応できたわけではない。週刊ベースボールのインタビューで以下のように振り返っている。

「後ろの打順ならばそれまでのバッターを見て、相手投手が今日どういう球を投げるのかとか、調子を見ることができるじゃないですか。もちろんデータをしっかり確認して試合に入りますが、それでもその日によって曲がり方、球速、球の伸びは全然違います。初回の一番打者は打席でぶっつけ本番です。それに、自分がそうしていたからこそ、初球を振りにいっていいのかなとか考えてしまいます。もともと初球から行きたいタイプなんですけど。具体的なタイミングや試合とかは分かりませんが、最初の2週間くらいはいっぱい、いっぱいでした。周東佑京さんに初球を振るか迷っていると相談したら『オマエを一番にしているってことはガンガン振ってほしいと思っているからだよ。だからどんどん行けよ』と言ってもらえました」

 盗塁数がゼロという数字が示すように、一番打者のイメージである機動力で揺さぶるスタイルではない。だが、正木には違う魅力があった。鋭いスイングから放たれたライナー性の打球が失速せずスタンドに突き刺さる。球団新記録の先頭打者アーチ7本と初回から打線に勢いをもたらした。選球眼の良さも光る。出塁率.372はリーグ3位だった。自身初の規定打席に到達したことも大きな自信になっただろう。

意味のあるリハビリ生活


 慶大からドラフト2位で入団して5年目。チームの中軸を担うスラッガーとして期待されたが、度重なる故障に苦しんだ。入団直後の春季キャンプで右肘靭帯損傷。昨年は開幕戦から「五番・左翼」で試合に出続けていたが、4月18日の西武戦(ベルーナ)で5回に空振りした際に左肩を痛めて途中交代。翌19日に病院で検査を受けて「左肩亜脱臼」の大けがであることが判明し、手術を受けてリハビリに打ち込んだ。一軍の舞台に復帰したのは半年後の10月中旬。17試合出場で打率.259、2本塁打、8打点に終わった。苦難の日々をどう捉えていたか。

「意味のあるリハビリ生活を送れたことが、今シーズンにつながっています。自分だけじゃなく、リハビリ担当のスタッフさんやトレーナーさんら支えてくれた人たちのおかげです。ただ、本当に考える時間も多かった。リハビリは昼過ぎには終わる。夜は一軍のナイトゲームを欠かさず見ていました。悔しかったですね。達(柳町達)さんとか勇(野村勇)さんのような活躍を自分もしたかったなと」

「昨年からとにかく徹底的にトレーニングをして体を強くしましたし、打ち方も研究してトラジェクトアーク(実在する投手の映像、球を再現するマシン)で実戦的な練習もかなりやりました。タマスタ筑後の場合だと月曜日はこの2人、火曜日はこの2人とかプログラムされる投手が決まっているんです。各チームの主力投手ばかり。ロッテなら種市(種市篤暉)さん、楽天なら早川(早川隆久)さん、西武なら武内(武内夏暉)とか。僕にはそれがめちゃくちゃプラス。球団に感謝です。正直、最初は激ムズで全然打てなくて、こんなのをやっていたらバッティングが崩れるんじゃないかと思いました。だけどやり続ける中で対応力が上がっていきました。今ではやらないと気が済まない。グラウンドでの打撃練習が終わったらすぐにベンチ裏でトラジェクトアークを打ちに行っています」

 戦いはまだ続く。井口資仁監督の初陣となる「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」で侍ジャパンのオーバーエージ枠に選出された。26歳とここから脂が乗ってくる。国際舞台でもスケールの大きい打撃を発揮できるか。ソフトバンクだけにとどまらず、侍ジャパンでも核になれる強打者だ。

写真=BBM
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