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捕手の動向に注目が集まる中でFA権行使の可能性 他球団の評価高い「DeNAのいぶし銀」は

 

チームに大きな影響を与える36歳


36歳のベテランはチームに欠かせない存在だが……


 今オフのFA市場は楽天の太田光、阪神の伏見寅威など捕手の動向に注目が集まっているが、このベテラン捕手の決断も気になる。DeNAの戸柱恭孝が2023年オフに結んだ4年契約4年目の来季契約について、契約内容を見直すことができるオプトアウトの条項が付与されていることが報じられている。今オフにオプトアウトの権利を行使した場合、23年に取得した国内FA権を行使する選択肢が現実的になる。

 36歳のベテランはチームに大きな影響を与えている。今年はシーズン途中に主戦捕手の山本祐大がソフトバンクにトレード移籍。松尾汐恩、古市尊と経験値が少ない若手捕手をサポートするとともに、自身も攻守で奮闘した。印象深い試合が、4月24日の巨人戦(横浜)だ。1対1の同点で延長10回の守備から出場すると、二死満塁のピンチをつくったが、守護神のショーン・レイノルズが佐々木俊輔を直球で空振り三振に。11回は中川虎生をリードして三者凡退に仕留めると、直後の攻撃で中堅の頭上を越えるサヨナラ二塁打を放った。プロ11年目で初のサヨナラ打に「自分でもびっくり」と振り返ったが、「これだけやってきたというのが自分の中である。グラウンドで表現できているんじゃないか」と誇った。

 9月23日の中日戦(横浜)でも、延長12回に相手守護神の松山晋也から右翼にサヨナラ弾。この試合では同点に追いつかれた6回に挟殺プレーで戸柱が絡んでいた。二塁に送球した際に暴投となり、中前にボールが転々とする中で失点を許したが、バットできっちり取り返した。

「絶対優勝したい」という思い


 大舞台に強い。24年にCSでMVPを受賞し、ソフトバンクと対戦した日本シリーズでも全試合スタメンマスクをかぶった。第3戦から日本シリーズ新記録の29イニング連続無失点を記録するなど好リードで投手陣を引っ張り、26年ぶりの日本一の立役者に。試合に出場しない時もチームメートに声を掛けるなど、常に周囲を俯瞰している。数字以上にチームに与える貢献度は大きい。

 相川亮二監督が監督になった今年は、期する思いがあった。週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っていた。

「チームとしてはもちろん、自分としても24年は9月後半からあれだけマスクをかぶらせてもらって、25年は『やってやるぞ』という思いが強くなっていたものの、最後のほうはなかなか試合にも出られず、悔しい思いをした。今年は監督が代わり、チームもまた変わるきっかけです。個人的にも相川さんが監督になったので、全力で胴上げしたいなという思いが、今まで以上に強くなっています。相川監督はバッテリーコーチとして一番身近にいてくれた存在ですし、4年間、寄り添ってくれて、自分がつらい、悔しい思いをしていても、いつも前向きな言葉を掛けてくれた。観察力がすごくて、人の変化に敏感に気付く方なので、勉強になった4年間でした。僕の野球観を広げ、いろんな発想を生み出してくれたのも相川さんの一言。僕の野球人としての幅が広がった、助けてもらったコーチでした。これまでにないぐらい、胴上げしたい、絶対優勝したいという思いが、より強くなっています」

捕手に必要な要素


 捕手として試合に出続けるため、必要な要素はなんだろうか。

「打つことは現代の野球では当たり前だと思っています。チームが掲げているバッテリー中心というのは、どれだけピッチャーといい関係性を築いてコミュニケーションを取れるか。ピッチャーから『このキャッチャーがいい』と思われることが、僕の中で一番重要だと思っています。あとは準備の部分。しっかり準備をして、勝っても負けても『このキャッチャーであれば納得できる』というキャッチャーでありたいと思っています」

「監督が掲げている『バッテリー中心に守備力の強化』というのが、僕が今までやってきたことですから。いかにピッチャーを輝かせるかということがキャッチャーの仕事なので、そこができれば絶対チームは勝つと思うんですよ。それに打ってくれる選手が多いので。監督の『バッテリー中心』という言葉にはいろんなメッセージが含まれていて、キャッチャー自身が考えないといけないなと思っています。受け取り方はそれぞれかもしれませんが、同じ方向を向いていくだけです」

 他球団の評価が高い選手だが、11年間プレーしたDeNAに対する愛着は当然強い。今年はレギュラーシーズン3位と目標のリーグ優勝に届かず、CSを勝ち上がったが、日本シリーズでソフトバンクに4連敗と力の差を見せられた。戸柱は今オフ、どのような決断を下すだろうか。

写真=BBM
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