先発陣再編が避けられない状況

高卒2年目の今季はシーズンを通してリリーフとして投げ続けた篠原
西武の高卒2年目・
篠原響が、来季の先発転向に意欲を示している。
今季は勝ちパターンの一角を担い、
甲斐野央の56試合に次ぐチーム2位の46試合に登板。3勝3敗1セーブ、31ホールド、防御率2.22を記録し、リーグ2位に浮上したライオンズのブルペンを支えた。中継ぎとして確かな実績を残した一方、篠原がかねてから希望しているのが先発への転向だ。
来季の起用法について球団から具体的な話は出ていないが、球団側から打診があれば、自らの希望を伝える考えを明かしている。
「球団側からアクションが来たら、自分の意見を伝えようかなと思っています」
現時点では、契約更改の場がその機会になる可能性がある。篠原は「球団の方からまだ何もアクションがないので、何か向こうから『中継ぎをやってほしい』とか、アクションがあれば自分の意見は伝えようかなと思っています」と説明した。
チーム事情も、篠原の先発転向を後押しする要素になり得る。今季の先発ローテーションを支えた
平良海馬はポスティングシステムによるメジャー挑戦に踏み切り、
高橋光成も海外FA権を行使した。先発の2枚看板が同時流出する可能性があり、来季は先発陣の再編が避けられない状況だ。
さらに、先日のドラフト会議では、1位の
川尻啓人(亜大)、2位の
柿本晟弥(パナソニック)、3位の
沢山優介(ヤマハ)と、上位3人を即戦力投手で固めた。先発枠を巡る競争は激しくなるが、篠原にとっては新たな挑戦の機会が生まれる可能性もある。
もっとも、先発への転向を一方的に求めるつもりはない。
「先発をやりたい気持ちは伝えますけど、どうしても中継ぎで必要とされているのであれば、中継ぎという考えはあります。まあ、自分は先発をやりたいと思っています」
自身の希望を持ちながらも、チームから求められる役割を優先する姿勢は変わらない。「もちろん、先発はやりたいですけど、戦力として見てもらっている場所で投げる立場だと思っています」と、冷静に自身の立ち位置を見つめている。
来季に向けた土台づくり
現在は、11月12日から東京ドームで開催される「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」に向け、侍ジャパンの宮崎秋季キャンプに参加中。来季を見据え、さらなる肉体強化にも取り組んでいる。
「まだジャパンが残っていますけど、体全体の質量を上げていきたい。大きさはもうあまり変わらないと思うので、これからどう質量を上げていけるかだと思う。(昨オフのトレーニングでは)体重も少し増えましたし、出力も増えているというところで、質量がすごく大事なのかなと思っています。来年に向けてどう質量アップしていくかということですかね」
昨オフのトレーニングで体重が増え、投球の出力も向上した手応えを得た。今オフもウエート・トレーニングを継続し、さらなるパワーアップを目指す。代表活動では投球の強度も段階的に上げながら、来季に向けた土台づくりを進めていく。
今季は勝ちパターンの中継ぎとして存在感を示した20歳右腕。平良と高橋光成の最終的な動向によって先発陣の構図が変わる中、篠原は肉体強化を進めながら、契約更改の場で先発転向への思いを伝える。高卒3年目となる来季、先発と中継ぎのどちらで新たな飛躍を目指すことになるのか、注目が集まる。
文=伊藤順一 写真=BBM