
日本選手権でも先発・中継ぎとフル回転で、エースの背中を見せた樋口[写真=松村真行]
「本当にどっち(先発・中継ぎ)もできるのが、自分の強みだと思います」
楽天からドラフト3位で指名された直後の会見でそう語ったのは、王子のエース左腕・
樋口新(愛知工大)。プロ入り前最後の公式戦となる日本選手権では、その言葉通り、先発・中継ぎとして2試合に登板した。
11月3日に行われたJR西日本(中国)との1回戦では、5対4と1点差の8回から2番手で登板。「先頭(打者)をしっかりとることと、同点まではオッケーという気持ちで」とマウンドに上がり、打者3人、12球で攻撃をシャットアウト。9回もテンポよくアウトを積み重ね、最後の打者は3球三振。難なくJR西日本打線を打ち取って試合を締め、2回戦進出を決めた。
今季限りでの休部に伴い、最後の全国大会出場となったパナソニック(近畿)との2回戦(同6日)では先発を任された。パナソニックの先発は「個人的に仲良くさせてもらっているので、負けられない」と語った相手エースで、
西武にドラフト2位で指名された
柿本晟弥(東洋大)。奇しくも同学年、ドラフト指名選手同士の投げ合いとなった。
5回までパナソニック打線をわずか1安打に抑える好投を披露したが、6回二死二塁から先制打を許すと、7回には一死三塁から適時打を浴び、1点を追加される。なおも一死一、二塁とさらなるピンチをつくったところでマウンドを降りた。「今年のJABA(京都)大会でパナソニック(を相手に)投げて、打たれたのでリベンジしたい」。初戦後にそう語っていた樋口だったが、悔しい結果となった。
チームも0対4で敗れ、2回戦で涙をのんだ。「最後に優勝して湯浅(貴博・監督)さんに恩返ししたい」。その目標は叶わなかったが、王子のエースとしてマウンドに立ち続けた樋口。この敗戦を糧に、プロの舞台でのさらなる飛躍に期待したい。