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FA権行使で複数球団が興味 現場の評価高い「Cランクの実力者」は

 

際立った勝負強さ


勝負強いバッティングが目を引く宗


 オリックスの宗佑磨が国内FA権を行使したことを明らかにした。推定年俸6200万円で金銭・人的補償が必要ないCランクとみられ、複数球団が獲得に動く可能性がある。オリックスは宣言残留を認めていることから、今後、話し合いを継続して残留という道も考えられる。

 今季は134試合出場で自己最多の14本塁打、65打点をマーク。打率.245だが出塁率.337にはね上がる。56四球という数字が裏付けるように、ボール球をきっちり見極める選球眼の良さが光った。リーグ2位の得点圏打率.350と勝負強さも際立つ。極限まで集中力を研ぎ澄まし、好機に打席が回ってくると結果を残してくれる雰囲気が漂っていた。

2024、25年の不振を経て


 紆余曲折を経て、今がある。2021年から3年連続でベストナインとゴールデン・グラブ賞をダブル受賞し、リーグ3連覇に大きく貢献。不動の三塁手として活躍したが、24、25年はいずれも打撃不振でファーム降格を経験し、2年連続で出場試合数が100試合を下回った。「結果にフォーカスするのではなくて、それまでの自分のあり方を考えなきゃいけないなと」。人間は成功体験が忘れられず、新しいことに踏み出せなくなる時がある。「大人になったらチャレンジすることを忘れて、安定を求めて周りに流される。そんな言い訳をして、自分自身の心に蓋をする生き方はしたくない」と打撃についても考え方が変化した。

「今、Aの打ち方をやっているとして、やっていない打ち方がBとする。Bをやってみたい気もするけど、そうしたらAに戻ってこれないかもって感覚があって恐れてしまうんです。でも、Bをやることによって、Aの打ち方がより明確化されてくるパターンもある。BをやってみてBのほうが良かったらそれはそれでいいし、Bのエッセンス的なものを取り入れて、Aプラスアルファみたいになっていくのもいいし。失敗しないと分からない」

 見事に復活した今季は打球に力強さが増した。以前の状態を取り戻したのではなく、進化したという表現が当てはまる。高い身体能力を生かした三塁の守備でも、何度も好守を見せた。

 三塁手の補強が優先ポイントの球団は少なくない。その中で獲得に乗り出す可能性が高いと予想される球団がDeNAだ。三塁のレギュラーを長年守り続けていた宮崎敏郎は37歳となり、今季は85試合のスタメン出場にとどまった。筒香嘉智も三塁で47試合先発出場したが、体の負担を考えるとシーズンを通じて守るのは想像しにくい。その中で、宗を獲得できれば守備力が大きく引き上げられると同時に、打線でもチャンスメーカー、ポイントゲッターと様々な役割を果たせる。来季からセリーグに指名打者が導入されるため、宗を三塁に固定して、指名打者で筒香、宮崎を起用することができる。

今年の印象的な試合


ファンの後押しもあって勝利した7月20日の日本ハム戦。ヒーローとなった宗[左]と九里亜蓮


 オリックスに残留の可能性も考えられる。高卒でプロ入りしてから12年間プレーした球団への愛着は強い。今年の印象的な試合が7月20日の日本ハム戦(京セラドーム)だ。5連敗で迎えた一戦で、初回の攻撃からチャンステーマで流れる「バファエール」が球場に鳴り響いた。選手たちはこの声援に奮起し、3対0で快勝した。

 初回に中前適時打を放つなど2打点の活躍で勝利に貢献した宗は「勝てない悔しさは僕らももちろんありますし、ファンの方もお金を払って見に来ていただいている。(初回からのバファエールに)一緒に戦っていこうって僕は受け取った。うれしかったですし、まだまだ頑張ろうって気持ちになりました。グッときましたね。負けているときは淡泊になって、淡々と試合が勝手に進んでいってしまっているみたいになっている。自分自身が流れに流されてはいけないし、粘りだったりエラーでも四球でもなんでもいいので、出塁する姿勢をチーム全員でやっていかないといけない。とにかく出し惜しみせず、自分が今できるベストなプレーをしていきます」と思いを新たにしていた。

 プレーに勝利への執着心が伝わってくる宗は、オリックスファンの人気が高い。他球団の評価が高い選手だが、熟考の末にどのような決断を下すか。

写真=BBM
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