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中日・工藤監督にカツを入れられて話題に 覚醒期待の「最速157キロ右腕」は

 

インターバル走に苦戦


1年目の今季は一軍で3試合登板に終わった篠崎。来季の飛躍を誓う


 高知・春野で行われている中日の秋季キャンプで、工藤公康新監督が叱咤激励して選手たちを奮起させる場面が話題になっている。

 プロ1年目を終えた右腕・篠崎国忠が初日のランニングメニューで、外野を端から端まで時間内に往復するインターバル走に苦戦して倒れ込むと、指揮官は「ほら分かるやろ? 自分の力を(走って)運ぶ力がないんや。じゃあどうしたらいいんや。運びますから? 運んでねえよ。運べないおまえの体をどうしたらいいんや。考えろ。分かった? そんで俺のところ持ってこい。できないなんて誰でも言えるんだよ。やるために何が必要かを考える。自分の体をどう変えるか」と声を掛けた。

 このやり取りはSNS上で話題になったが、期待が大きいからこその助言と言える。篠崎がブルペンで投球練習を行った際は、工藤監督が身ぶり手ぶりで指導する姿が。若手が一人でも多く台頭してこなければ、最下位からの巻き返しは望めない。横一線の競争になる来年に向け、選手間の競争はすでに始まっている。

厳しい世界であることを実感


 身長193cm、体重105kgの恵まれた体格から最速157キロの直球、落差の大きいフォークで三振奪取能力が高い。修徳高のときから大型右腕として注目されていたが、四国IL/徳島で直球の球速が上がったことに加え、カーブでストライクを取れるようになり、緩急をつけられるようになったことで投球の幅が広がった。

 メジャー球団からの評価も高かった中で、昨秋に中日にドラフト3位で指名された際、野本圭スカウトが「これだけのポテンシャルと試合でのパフォーマンスというのは、独立リーグの中でも圧巻でした。年齢はまだ20歳ですし、大学2年生でこれだけ投げる選手って、そういないと思います。可能性を秘めているというか、将来性がある楽しみな選手ではあったので、ご縁があって良かったなと思っています」と期待を込めていた。

 新人の今季は6月に3試合登板で防御率3.38。7月以降はファームに降格し、再昇格は叶わなかった。ファームリーグでは30試合登板で1勝4敗4セーブ、防御率5.65。抑えを任されるなど期待は大きいが、明確な課題は制球力だ。28回2/3を投げて18四死球は多すぎる。ボール球が先行してカウント不利になり、甘く入った球を痛打される。独立リーグでは空振りやファウルを取れるが、NPBの打者はヒットゾーンにきっちりはじき返す。厳しい世界であることを肌身で感じただろう。

2年目に飛躍した良きお手本


2年目の今季、リリーフの軸として活躍した吉田


 新人のシーズンで苦戦したが、2年目に大きく飛躍した良きお手本がチームメートにいる。今季52試合登板で1勝4敗27ホールド、防御率2.44とセットアッパーで頭角を現した吉田聖弥だ。即戦力の先発左腕として期待された新人の昨年は5試合登板のみ。今年は開幕をファームで迎えたが、4月12日に一軍昇格すると、キレのある直球を軸にチェンジアップ、カットボールを織り交ぜて安定した投球を続け、「勝利の方程式」に不可欠な存在になった。週刊ベースボールのインタビューで、活躍の理由について以下のように振り返っている。

「実はそんなに良くはなかったというか、体調不良からインフルエンザになって、キャンプも出遅れてしまいました。そこから名古屋に帰ってきて投げても、あまりしっくりこなくなってしまって……。そこで次の試合は1回、中継ぎでやってみようという話になりました。その登板の2日前だったと思うんですけど、大野(大野雄大)さんが投げているYouTubeを見て『これだ』と思ったんです。この投げ方なら自分もできる、投げられるんじゃないかと。うまく言えないんですけど、肩の付け根から投げているような感じというか。次の日にキャッチボールで試してみました。それだけでもボールが全然違うのが分かりました」

 先発から救援に配置転換され、「コントロールが一番大事だということ。150キロを超える投手はたくさんいますけど、自分はそういう投手ではないので、そうなるとやっぱりコントロールに磨きをかけないと。特に変化球のコントロールが大切だと思います」と制球力の重要性を再認識したという。

 篠崎も来季にブレークできるか。工藤監督の助言を成長の糧にして、レベルアップを図る。

写真=BBM
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