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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム「外国人選手のピースがハマった中日。Aクラスは十分行けます」

 

中日は、Y.ロドリゲス[右]ら、外国人選手がチームの要所にハマり、与田剛監督[左]も選手起用が楽になってきたように思います


Bは気持ちの維持が課題に


 先々週のこのページで心配していたら、オリックスは西村(西村徳文)監督が辞任して、中嶋(中嶋聡)監督代行となりました。中嶋監督代行が現役時代に日本ハムに来た(2004年)のは僕が監督をやめたあとなので、そんなに深くは知らないのですが、じっくりと取り組んでいくタイプのような感じもします。

 オリックスは何かがかみ合わなくて、低迷をしていたんですが、そこに、コーチを入れ替えたり、ファームで見てきた選手を一緒に一軍に上げて使ったりして、代わったとたんに3連勝しましたから、まずは雰囲気を変えて、勝つことには成功したと言えるでしょう。

 シーズン途中での監督交代は、僕にも経験がありますが(1986年、中日・山内一弘監督が途中休養となり、高木守道代理監督に)、そういうときって、選手の中に「1年間一緒にやるはずだった監督を、俺たちのせいでやめさせてしまった」という気持ちが出てくるもんなんですよ。皆が「これではいけない」という気持ちになるので、代わってすぐというのは、割合、勝てることもあるもんなんですね。

 ただこれが、なかなか長くは続かない。しばらくすると、やっぱり元に戻ってしまう、ということも少なくないんです。

 ですから、最初に出せたチームのいい形と、選手の「これではいけない」という気持ちを、いかにうまく刺激を与えながら維持させていくことができるか、ということが、これからの中嶋監督代行にとっての課題になってくると思います。

 中嶋監督代行は、いろんな球団での経験がありますが、イチローがいて優勝した95、96年当時のオリックスにもいましたし、日本ハムでも長く選手兼任コーチをやっています。このときのオリックスや日本ハムは、それほど打撃で圧倒する、というタイプのチームではなかったですから、彼のキャリアの中でも、このあたりの時代に経験したエキスが、いかにうまく点を取るかが課題の、今のオリックスに生かせるのではないかと思います。

 そういったものも試しながら、なぜ勝てたのか、勝てなかったのかをしっかり自分で分析して進んでいくことが大事でしょうね。例えば、代わってすぐ3連勝できたのは、単に選手のムードが変わっただけなのか、それともコーチを代えた効果が何かあったのか、自分の取った戦略、戦術の効果だったのか。そういったところをしっかり分析して、必要なものをチームに落とし込んでいくことでしょう。そうして、3連勝したときにできた「俺たちだってやればできるんだ」という気持ちを持ち続けさせることができるかどうか、というところがポイントになってくると思います。

 戦力的には、球の速いピッチャー、力のある球を投げるピッチャーもたくさんいるし、パ・リーグの他の5球団と比べてもそんなに落ちるチームではありませんから。ここからを楽しみにしたいですね。

Aクラス狙いで好機を待て


 一方、セ・リーグでは、わが古巣の中日が、ようやく勢いが出てきました。Y.ロドリゲスR.マルティネスアルモンテら、外国人のピースがポイントにうまくハマり、大野雄大の調子が上がってきて、チームが勝てる形になってきました。

 ここまでは、最初、打線がある程度打てているときには投手がそろわず、やがて高橋周平がケガをしたり、阿部(阿部寿樹)や福田(福田永将)あたりもあまり調子がそろって来なかったりで、石川昂弥や根尾(根尾昂)を起用してチームに刺激を与えようとしたけど、まだちょっと時期が早過ぎた。キャッチャーのA.マルティネスを使ったりね。そうこうするうちにビシエドの調子が落ちてきてしまった……、という感じだったと思うんですが、ここにきて、外国人選手たちが先発に、抑えにと、いいポイントにハマり、弱点がカバーできる形になった、そこに大野雄大の復調があって、チームとしていいバランスになってきた、というのが、今の中日ではないですかね。チームというのは、パズルみたいにピースがピシャッ、ピシャッといいところにハマっていけば、投手交代などの選手起用も楽になるし、一気にいい方向に転がるものです。

 今は、3連戦を2勝1敗ペースで勝っていけるチームになっていると思います。大きな連敗をするような感じもないですしね。ただ、一気に優勝争いまで行くには、6連勝とか7連勝とか、大きな連勝が必要ですから、そこまで行けるかというと、ちょっと別問題かな、という気もします。その辺が、波に乗ったら大きな連勝ができる巨人とかDeNAとは違うように思うんですよ。大野雄大も、今は調子がいいですけれども、これまでの成績を見ると、2ケタ勝った年でも、それに近い負け数になるピッチャーだという懸念はやはりあります。打線も、今、調子がいい人が落ちてきたときに、どれだけカバーできるか、と考えると……。平田(平田良介)がこれから本来の力を出してくれればいいですが、いざというとき、今度は石川昂弥なり、根尾、あるいはほかの若手が、バシッとカバーできるかと言ったら、そこまでの層の厚さはないですもんね。

 ただ、Aクラスなら十分に行けるチーム状態になっているとは思います。「今年はCSがないので、Aクラスになってもしょうがない」と言う人もいますけど、7年連続Bクラスのチームにとっては、Aクラスというのも一つの大きな課題だと思いますよ。Aクラスを目指して戦っているうちに、上位のチームが崩れてきたら、ひょっとして頂点までということだってあるかもしれませんから。これからも期待して見ていきたいですね。

PROFILE
大島康徳/おおしま・やすのり●1950年10月16日生まれ。大分県出身。右投右打。中津工高からドラフト3位で69年中日入団。3年目の71年に一軍初出場の試合で本塁打を放つ。76年にはシーズン代打本塁打7本の日本記録。翌77年に打率.333、27本塁打の活躍で不動のレギュラーとなり、79年にはリーグ最多の159安打、36本塁打、リーグ3位の打率.317の大活躍。83年には36本塁打で本塁打王にも。88年に日本ハムへ移籍、90年には史上最多の2290試合を要して2000安打に到達した。94年限りで現役引退。2000年から02年まで日本ハム監督も務めた。現役通算成績2638試合、2204安打、382本塁打、1234打点、88盗塁、打率.272。

中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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