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2018キャンプ展望

【ヤクルト キャンプ展望】最下位からの脱却へ首脳陣も一新。一からの定位置争いがスタート

 

再浮上への生命線となるのは投手陣


昨年のキャンプ風景


 球団ワースト96敗からのリ・スタートとなる。宮本慎也氏がヘッドコーチとして5年ぶりに復帰しただけでなく、セ・リーグ2連覇の広島から石井琢朗打撃コーチ、河田雄祐外野守備走塁コーチを招へい。また、キャンプイン直前にはメッツからFAになっていた青木宣親の電撃復帰も決定的に。チームは大きく生まれ変わろうとしている。

 2015年のリーグ優勝時には破壊力のある打線が看板だったが、小川淳司監督は「守り勝つ野球」を掲げている。「少ないチャンスをモノにする、ありきたりな野球」。しっかりと守って攻撃につなげ、塁に出ればバントも使う。強攻策を多用した真中前体制とは対照的な戦術となる。選手はこの春季キャンプで、その意識をとことん高めなければならない。

 生命線となるのは投手陣だ。リーグ最下位のチーム防御率4.21からの巻き返しは容易でないが、新戦力に期待できそうだ。メジャーでの実績があるハフ、中日から移籍したアルメンゴ(当時はジョーダン)、ソフトバンクから無償トレードされた山田大樹と、不足していた先発左腕が一気に3枚も増えた。新人でも大下佑馬が先発候補として評価が高く、従来の投手陣はうかうかしていられない状況。ブルペンでは熱のこもった“投げ合い”が見られるはずだ。

 野手でも現状でレギュラーを約束されているのは山田哲人くらいで、故障明けの川端慎吾畠山和洋ら実績のある選手も一挑戦者の立場となる。昨季、故障者が続出したことにより一軍でキャリアを積めた藤井亮太山崎晃大朗奥村展征らは定位置争いに本気で挑むことになりそう。一軍首脳陣のうち、指揮官以外では5人が新任。先入観のないフラットな目で見てもらえるため、チャンスを渇望する若手選手にもチャンスが広がりそうだ。

 1点をもぎ取りにいく野球においては、走塁面が重要となる。そこは河田コーチの手腕に期待したい。就任時、山田哲の走塁について「走るのを自重しているのかなと感じた」と言及していた。来季は一番起用の構想もあることから、大黒柱の山田哲は、バットだけでなく足でもキーマンとなる。

写真=BBM

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