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ファーム一番星

ヤクルト・高橋奎二「脱・ライアンで新境地」/ファーム一番星

 

ヤクルト・高橋奎二[投手/3年目/21歳]


故障で出遅れたが、体のケアにも心を配るようになった


 一軍での登板を夢見て、汗を流している。高卒3年目の21歳、高橋奎二だ。「調子はまずまずです」と口にするが、8月24日現在でイースタン・リーグ16試合に登板し、8勝5敗、防御率3.66の好成績。1年目は左肩、2年目の昨季も左肩と腰を痛めるなど故障が続き、悔しさを味わった。体の状態を見て、間隔を空けながら登板しているが「中12日とか空けてもらったりしている中で、投げられているのはプラス」と胸を張る。

 過去の自分を捨て、成長につなげている。高橋といえば、京都・龍谷大平安高時代に話題となった、右足を胸の近くまで上げる独特の投球フォームが特徴的で、「左のライアン」とも呼ばれた。だが、腰への負担軽減などを理由に、上げ幅を腹部付近までに抑制。「正直、変えるのは嫌でした。でも、何かを変えないと変わらないと思った」と何としても殻を破りたかった。現在では故障もなく、「しっくり来ている。それ(フォーム修正)のおかげか分からないけど、腰の状態もいい。何か変えたことで良くなったのかもしれない」とうなずく。

 さらに、体のケアも怠らない。球団のトレーナーの治療を受け、自らも知り合いなどを通じ積極的にケアの方法を学ぶ。また、今までは「全部を全力で投げていた」と振り返るように、常にフルの力で打者と向き合っていた。だが、今季は打者を見ながら力の入れ具合を調整。決して抜いているわけではなく、体に負担をかけぬように、リラックスした状態で投げることも覚えたのだ。

 今夏の甲子園では、母校の後輩たちが躍動。自身と入れ違いで入学した世代だが、携帯などで戦況を確認し、春夏通算100勝到達に「うれしかったですね」と刺激を受けた。まだ焦ることはない。チャンスは必ず来る。その日を万全の状態で待つ。

写真=BBM

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