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引退した松井稼頭央がファンの衝撃を与えたプレー

 

衝撃の球宴1試合4盗塁


1997年球宴初戦の5回、松井は二盗を決め、78年藤原満(南海)に並ぶ3盗塁目。その後、すかさず三盗をメークして、新記録を作った


 松井稼頭央が全国のプロ野球ファンに大きなインパクトを与えたのは1997年のオールスターだった。プロ4年目、22歳の松井はこの年、球宴初出場。7月23日の初戦(大阪ドーム)、3、5回に出塁するとそれぞれ二、三盗を決め1試合4盗塁の球宴新記録を樹立してMVPを獲得した。しかも、相手捕手は古田敦也ヤクルト)。球界最高の強肩を誇った男も「まさに完敗です」と白旗を揚げた。

「僕の売りは足だったので、塁に出たら走ると決めていました。でも、オールスターだったので投手もクイックはしませんでしたから」と松井は謙遜しながら当時を回想するが、続く第2戦(神宮)でも古田から1盗塁をマーク。このときはマウンドの桑田真澄巨人)が2回けん制するなどバッテリーが警戒しながら、それをかいくぐった。

 松井はシーズンでも62盗塁を記録して初の盗塁王に。若い力でリーグ優勝も果たしたが、この球宴での衝撃が松井稼頭央の価値を高めたのは間違いない。

PROFILE
まつい・かずお●1975年10月23日生まれ。大阪府出身。177センチ85キロ。右投両打。PL学園高から94年ドラフト3位で西武に入団。3年目の96年、遊撃のレギュラーをつかみ、攻守走3拍子そろった選手としてチームの勝利に貢献。2002年にはトリプルスリーを達成した。04年FAでメッツへ。ロッキーズ、アストロズを経て11年楽天へ移籍。精神的支柱として13年日本一へ導いた。17年オフ、兼任コーチとして西武に復帰。18年限りでユニフォームを脱ぎ二軍監督となった。NPB通算1913試合、2090安打、201本塁打、837打点、363盗塁、打率.291。

写真=BBM

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