オープン戦でも結果を残している清宮。開幕スタメンは確実に現実味を帯びてきている
早実時代、史上最多となる高校通算111本塁打をマーク。
日本ハム入団会見では「日本を代表するバッターになりたい」と夢を語った。周囲もまた、1年目からの大爆発を期待したが、終わってみれば、故障にも泣き、打率.200、7本塁打に終わった。
しかし、
栗山英樹監督が年頭のあいさつで「優勝するためのキーマンは
清宮幸太郎」と公言。プロ2年目、チームの将来を担う19歳のスラッガーへの期待は大きい。オフの自主トレ中に右手首痛でアリゾナキャンプも一時は回避する動きもあったが、指揮官の強い要望もあって2年連続アメリカで球春を迎えた。
幸いにも患部の状態は回復し、キャンプ序盤のフリー打撃ではほぼ100パーセントに近いスイングで周囲を安心させた。2月9日(日本時間10日)には初の実戦となる紅白戦で紅組の「四番・一塁」でスタメン出場。同じく2年目の第2打席で
宮台康平から中前にヒットを放つなど存在感を放った。
それでも栗山監督は「あのヒットもバットの芯には当たってないよね。打てよ、四番だろって。こっちも意図があって(そういう打順で)起用しているんだから」と愛のムチでさらなる奮起をうながした。栗山監督が「日本の四番になってほしい」と語った2020東京五輪までのカウントダウンはすでに始まっている。レギュラー奪取で2ケタ本塁打は最低ノルマ、いや、目標に到達するためには30本打っても、まだ足りないかもしれない。
覚醒前夜の怪物スラッガーがVの旗手となり、夢の舞台に、四番として立つことはできるのか。
写真=山口高明