地元出身、期待の高卒3年目右腕の島が覚醒の兆しを見せ始めている
もがいてきた末に、ようやく暁が見えてきた。高卒3年目を迎えた
島孝明が確かな手応えを口にした。3月30日のイースタン・
巨人戦(ジャイアンツ)では9回の1イニングを任され、2四球を与えたが、一軍経験のある
重信慎之介を左飛、J.マルティネスを空振り三振に仕留めるなど無失点に抑えた。これで二軍では4試合連続無失点と好スタートを切った。
「一からのやり直しだった。地味なことを積み重ねてやってこられたのが、今につながっている」
2017年オフは台湾ウインター・リーグに参戦するも制球難に陥った。四球を連発し、降板。代わってマウンドに上がったのは野手。屈辱だった。
小野晋吾二軍投手コーチは「昨年は苦しんでいた。やっと自分でコントロールできるようになってきた」と振り返る。どん底から小野コーチと二人三脚でフォームの見直しを行った。立っているときの姿勢も「反り腰」から「前傾姿勢」に改良。リリースポイントを安定させるため、暇さえあればシャドーピッチを繰り返した。
長かった“冬の時代”を乗り越え、今季は2月、3月の実戦期間で一軍帯同。
吉井理人一軍投手コーチから「ゆくゆくは勝ちパターンとか最後を任せられるようになってほしい」と期待され、成長の場を与えられた。2月17日の
楽天との練習試合(金武)では6対3の9回に登板し、1安打無失点。「右打者を抑えることができたのが自信になった」。
だが、今のままでは一軍で通用しないと本人も自覚しており「真っすぐは150キロを超えないといけない」と現在の平均147キロからの球速アップを課題に挙げる。東海大望洋高では最速153キロを誇った右腕。入団時に評価されていた荒々しさが戻れば、今季中の一軍デビューはグッと近づく。
写真=BBM